さて、今回の日本の新制度では、安全性については食経験や健康被害の報告制度などは取り入れられたが、品質管理の基礎であるGMPについては義務化されなかった。もちろんGMPを任意で取得しているところもあるが、このレベルはcGMPに比べるとかなり粗い。
例を挙げれば、cGMPの下では、購入した原料の同一性を確認したうえで製造しなければならないが、日本のGMPの場合、原料供給先の試験結果があれば、改めて同一性を確認する必要はない。これはほんの一例だが、厳密性という点では、大きな隔たりがあると言わざるを得ない。
また一方では、GMPが義務化されていないことで、輸入される健康食品に粗悪品が入ってくる可能性も否定できない。
消費者にとっては気になるところだが、自己防衛のためには、消費者庁のサイトに開示される「機能性表示食品の届け出情報」で、安全情報などをチェックすることで対処するほかないだろう。