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高熱、飲み込めない、歩けない! 治療薬がない"手足口病"は大人がかかると重症化

 国立感染症研究所の発表でも、患者の約9割は5歳以下の乳幼児だが、残り1割は大人が発症している。そして、大人が感染した場合は、より症状が重くなることが多い。

 大人が手足口病にかかると、約3割の患者は40℃以上の高熱を出す。水泡性発疹も、子どもと同じように手・足・咽喉に出てくるが、痒みや痛みを伴うことが多い。

 なかには、足にできた発疹で歩けなくなる人もいる。咽喉の発疹によって、ものを食べるどころか水が飲めずに、脱水症状を起こすことさえある。そのほかに、頭痛や下痢、嘔吐、筋肉痛・関節痛などの症状も報告されている。

 実際に手足口病になった人からは、"二度とかかりたくない病気ナンバーワン"という声が挙がるほど。そして、完治しても予後には注意が必要だ。

 子どもなら新陳代謝がよいせいか、発疹はきれいに消えてしまうが、大人は、皮が剥けたり、しばらく痕が残ったりする。

 今年一番見られた原因ウイルスは「コクサッキーウイルスA16(CA16)」。次いで多かった「コクサッキーウイルスA6(CA6)」では、治ってから1~2カ月後に爪が剥がれる(爪甲脱落症)ことがある。

なぜ大人だと重症化するのか?

 なぜ、大人だと重症化するのか、その理由は解明されていない。一説には、免疫が関係しているのではといわれている。

 ヒトの体内にウイルスが侵入すると、これを排除しようとして免疫機能が働き、発熱や倦怠感が生まれる。子どもに比べて大人はこの機能がしっかりと働くため、より症状が重くなりやすい。大人の場合は、多少の不調でも仕事や家事を休めず、病気をこじらせてしまうという事情もある。

 治療法が確立していない手足口病は、大人、子どもを問わず、休息や安静が症状を和らげる有効な手段だといえる。
(文=編集部)

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