介護する人/される人と介護の専門家・専門機関との出会いの機会が遅れることは、男性介護者にとって大きな環境変化だ。男性介護者は、他者に頼らず一人で介護を抱え込み、問題をより深刻化させ孤立するという傾向が強く指摘されているからだ。
介護の初期段階に、利用可能な介護資源の紹介やケアプランの作成など、これからの介護方針を親身になって一緒に考えてくれる頼りがいのある専門家や事業所の存在は、介護初心者の男性には不可欠だ。
介護の社会化どころか、結局は家族頼みの私的ケアシステムに逆戻りするだけではないかと不安は募る一方だ。
介護する人もされる人も、共に分厚い社会的支援に包まれて暮らせる介護システムこそ、介護保険施行15年の到達にふさわしい方向だと思うのだが。ホントに「あったらいいな、介護者のための介護保険」。