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【連載第8回 サプリメントの天国と地獄】

輸入サプリメントは日本人にも安全か? 「ドクターズサプリ」はちゃんと医師のチェックを受けているか?

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サプリメント大国・アメリカのサプリを日本人が飲んでも大丈夫か? Niloo / Shutterstock.com

 「サプリメント大国」と呼ばれるアメリカをはじめ、海外からサプリメントを購入している方もいらっしゃるでしょう。

 アメリカのサプリメントは種類も豊富で人気があるようですが、本当に安心して日本人が使えるものなのでしょうか?

体格が小柄な日本人は過剰摂取に注意

 日本人とアメリカ人の体格を見ればわかるように、何かにつけてアメリカのものは日本のものより大きい傾向があります。同じコーラでも、アメリカで飲むLサイズは、日本のそれよりも明らかに大きい。

 サプリメントについても同様のことが言えます。アメリカのサプリメントは日本のサプリメントよりも多くの有効成分が含まれるものが多いので、含有量に注意して使わないと、過剰摂取になってしまう可能性が高いと言えます。そして、サイズが大きいということは添加物も多く含まれると考えたほうがよいでしょう。

 また、アメリカのサプリメントには、ヨウ素が含まれているものが結構あります。これはアメリカが大陸国家で、ワカメや昆布などの海藻類を食べる機会が少なく、サプリメントによる補給が合理的だからです。日本人は日常的に海藻類をはじめとする海産物を摂取しているので、ヨウ素を含むサプリメントを取ると、やはり過剰摂取につながります。

 海外にも良質のサプリメントは多数あるでしょう。しかし、海外のサプリメントの場合、パッケージに記載されているのは外国語で、表示のルールも日本とは異なる場合があるので、それを理解するのは大変です。さらに、サプリメントによる健康被害があった時、しっかり責任をとってもらえるかも極めて不安です。これは海外のサプリメントの最も大きな問題だと思います。

「ドクターズサプリ」とは何か?

 いわゆる「ドクターズサプリ」と呼ばれるサプリメントがあります。この言葉は、2通りの意味で使われているようです。1つは、医師や歯科医師の指導に基づいて、もっぱら医療機関で使用されているサプリメント。もう1つは、「○○博士が考案・推奨するサプリ」という触れ込みで、医師が開発に関わったというものです。

 私は本来、ドクターズサプリは、前者の意味で使うべき言葉だと考えています。専門知識を持った医師、歯科医師のアドバイスに沿ってサプリメントを選べば、不足している栄養素をしっかり補給できる可能性が高く、無駄な買い物をしないで済みます。

 一方、ドクターズサプリと言いながら、医師や医療関係者がまったく関わらないで普通に販売しているものには、注意しておくべきでしょう。そうした商品は、販売のためのキャッチフレーズとして「ドクターズサプリ」と称しているだけかもしれません。たとえ医師が開発に関わっていたとしても、ドクターの開発意図のとおりに作られているかはわかりません。

 インターネットで「ドクターズサプリ」と検索すると、いろいろなサイトがヒットしますし、街のドラッグストアでも「ドクターズサプリ」と称する商品が並んでいます。その中には、「どのような医師が、どのような理由で、どのような成分を選んで作ったのか」が、ほとんど記されていないものもあります。ドクターズサプリの名の下に、「売らんかな」の商魂が見え見えの製品は、避けるべきでしょう。


連載「サプリメントの天国と地獄」バックナンバー

田村忠司(たむら・ただし)

株式会社ヘルシーパス代表取締役、日本抗加齢医学会会員、NRサプリメント・アドバイザー(一般社団法人 日本臨床栄養協会)。1988年、東京大学工学部産業機械工学科卒業後、株式会社リクルートに入社。10年間にわたり、通信事業を中心に経営戦略、新規事業立案、マーケティング戦略立案に従事。1998年、「日本老化制御研究所」を擁する日研フード株式会社に入社。取締役経営企画室長、サプリメントの製造子会社の代表取締役社長として活動。2006年、「医療従事者が自信を持って使えるサプリメントを提供して欲しい」との医師・薬剤師からの要請に応えて、医療機関専用サプリメントの専門メーカー株式会社ヘルシーパスを設立。栄養療法に取り組む医師・歯科医師へのサポート・情報提供のため、日々、全国各地を飛び回り、楽しく仕事に取り組んでいる。著書に『サプリメントの正体』(東洋経済新報社)がある。

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