アメリカ精神医学会が定めた精神疾患の診断基準であり、日本の精神医療の現場でも広く用いられている「DSM-5」には、パラフィリア障害群(パラフィリアとは性嗜好の偏りのこと)の最初に「窃視障害」の項が定められている。その定義は次のとおりだ。
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A. 少なくとも6カ月間にわたり、警戒していない人が裸になっている、衣服を脱いでいる、または性行為を行なっているのを見ることから得られる反復性の強烈な性的興奮が、空想、衝動、または行動に現れる。
B. 同意していない人に対してこれらの性的衝動を実行に移したことがある、またはその性的衝動や空想のために臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
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今回の田代の盗撮は、裸や服を脱いでいるところを見たのとは異なるが、その性的衝動のもつ意味や、その結果としての社会的立場の失墜、という意味ではまさにこの定義にあてはまる。そして、「DSM-5」によれば、窃視障害の「完全寛解」は、次のような状態になって始めて認められる。
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管理されていない環境下で少なくとも5年間、同意していない人に対してこれらの衝動を実行に移しておらず、苦痛、または社会的、職業的、または他の領域における機能の障害を引き起こしていない。
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5年どころか、仮釈放されてわずか1年で今回の事件を引き起こした田代まさし。回復はあまりに遠く、その行為が犯した結果は、極めて重い。