ライザップのトレーニングはボディビル選手の調整に近い!?shutterstock.com
いま話題の「ライザップ報道」――。その急先鋒である『週刊新潮』(6月18日号)には「2カ月で37万円 『ライザップ』の客とスタッフが危ない!」というセンセーショナルという刺激的な見出しが踊り、スタッフが過酷な労働環境に苦しみ、客が脳卒中で倒れる「重大事故」が発生したと報じられている。
今回はビジネス面の見方はさておき、フィットネスの観点から、ライザップが行っているトレーニングやダイエットの何が問題なのかを考えたい。
ダイエットではなくボディビルのコンテスト!?
ライザップの特徴は、基本的に予約制のマンツーマン指導という点だ。顧客のレベルや目標に合わせたトレーニングをマンツーマンで指導し、独自の栄養補助食品(サプリメント)などを摂取させ、徹底した栄養管理を行っている。
ただし、他のフィットネスクラブでもパーソナルトレーニングを行っている施設はある。プロテインやアミノ酸、ビタミン剤などの栄養補助食品も販売している。当然、栄養士の資格を持つスタッフやトレーナーが栄養指導も行っている。
では、ライザップでは何が大きく異なるのか?
それは「無理をさせるか、無理をさせないか」、ただその違いだけだと思う。ライザップが提唱するダイエットのためのトレーニングは、ボディビルコンテストに出場する選手の調整方法に近い。
ボディビルは競技ゆえ、「楽しさ」だけではなく「結果」が要求される。スポーツクラブやフィットネスクラブは、どちらかといえば楽しさやストレスの発散、健康づくり、健康維持増進の要素が強いといえるだろう。
ライザップのキャッチーフレーズ「2カ月間で結果を出す」のは可能だ。しかし、決して楽ではないため、身体にも相当の負担や反動があるのは否めない。糖質を制限するという栄養指導は、ダイエットには効果的だが、肉体的、精神的に追い込み過ぎて無理をさせていないだろうか。