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ジムへ行くなら夜がいい! 仕事後の疲労回復に有効で睡眠の質もよくなる

運動による空腹感が就寝前の夜食・間食につながる?

 また、いずれの時間帯においても「自覚的な空腹感の変化」は特に認められなかった一方で、②と③は「空腹ホルモン」として知られる「グレリン」の血中濃度が低下していた。この低下傾向についてLarsen氏らは、「より定期的に運動しないと、こうした変化に気づくレベルには至らないのかもしれない」と、慎重な見解を述べている。

 だが、今回の研究では、「夜間の運動は空腹感を生み、就寝前の夜食・間食につながる」という一般的にある先入観も覆されたかたちだ。

 Larsen氏らの新知見に対し、理想的な時間帯云々よりも「運動すること自体が重要だ」と強調するのは、スポーツの専門家らの見解だ。たとえば、スポーツ医学とアスレチック・トレーニングを専門とするDana Angelo White氏(米クイニピアック大学)はこう述べる。

「夜の運動は興奮しすぎて眠れなくなるのではないか、そう思い悩んでいる人も確かに少なくないかもしれない。しかし、習慣的に運動するほうが良く眠れることは明らかだ。重要なのは、1日のどこかで運動する時間を確保・捻出することだと考えるべき」

 こうした定期的な時間帯の運動を習慣づければ、「睡眠を促す神経伝達物質が増える」と説明するのは、睡眠の専門家であるAlice Doe氏(米アセンション・ボーゲス病院)である。

「一般的に推奨したいのは、就寝予定の3時間前には運動を終わらせることですね。そして寝る2~3時間前に熱いお風呂に入るか、シャワーを浴びると質の高い睡眠をつながりやすい」

 この助言から逆算すれば、あなた自身の「ジム通い」の理想的な時間帯が割り出せるはず。新年度のスタートに際して、もう一度、夜の運動習慣の利点も頭に入れてパフォーマンスアップにつなげてもらいたい。

村上勇(むらかみ・いさむ)

フィットネスアドバイザー。JT東京男子バレーボール選手を引退後、現・スポーツクラブ「ルネサンス」に勤務。2007年から「メディカルフィットネス+スパ ラ・ヴィータ」のゼネラルマネージャーとして施設運営に携わる一方、トレーナーとして主婦や高齢者、アスリート(サッカーチーム・モンテディオ山形、加藤条冶:スピードスケート、黒田吉隆:レーシングドライバー)、著名人(指揮者・飯森範親など)を幅広く指導。現在は株式会社ドリームゲート代表として、スポーツチーム・アスリート・企業などを指導、運営協力に携わる。

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