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腸内細菌の酵素で血液型「A型とB型」を「O型」に変えることに成功!輸血用血液製剤不足の解消へ

輸血を必要とする人は約100万人!

 国内の輸血用血液製剤は不足している。どのような状況だろうか?

 人の血液から作り出される医薬品を血液製剤と呼ぶ。輸血用血液製剤は、貧血や赤血球の機能低下に用いる赤血球製剤、出血の防止に必要な凝固因子を含む血漿製剤、血液の止血機能を持つ血小板製剤、すべての成分を含む全血製剤に分かれる。

 現在は患者が必要とする成分だけを輸血する「成分輸血」が主流のため、医療機関への全供給数のうち、赤血球製剤、血漿製剤、血小板製剤がほぼ100%を占める。

 血液事業に取り組む日本赤十字社によれば、平成29年の献血者数は約478万人、輸血を必要とする患者数は約100万人で、その約85%が50歳以上だ。少子高齢社会を迎えるに伴い、輸血用血液製剤の多くは高齢者の医療に使われ、高齢者ほど輸血が必要になる。

 一方、献血者約478万人の約70%は50歳未満で、この世代が輸血医療を大きく支えているが、若年層(10~30代)の献血者数は減少しつつある。将来の安定供給が危ぶまれる。
 
 このような現状があることから、日本赤十字社は、平成24年4月から全国に7つの本社直轄施設(ブロック血液センター)を統合し、安全性・効率性の向上、安定供給を図る広域事業運営体制をスタート。現在の供給需要130 万リッターの供給力を強化するために、輸血用血液製剤の製造能力を 120 万リッターから150 万リッターに高めることをめざしている。

 血液は、血液型が同じでも成分が微妙に異なるため、複数の献血者の血液を合わせて一人の患者に輸血すればするほど、発熱、発疹などの副作用が発生するリスクが高まる。

 さらに血液は、長期保存できないので、医療機関に安定的に輸血用血液製剤を供給するためには、特に若い世代の献血(400mL献血、成分献血)への理解と協力が欠かせない。あなたの助力がぜひ必要だ。
(文=編集部)

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