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労働者のうつ問題〜克服のカギは管理職のケア? 日本の実践率は16%と世界最低

管理職の企業理念や対策が、その国の経済を支える

 さらに、管理職が従業員のうつ病と積極的に関わらない傾向が強い国では、積極的に支援する管理職の割合が高い国と比べて、うつ病を抱える従業員が仕事を休む頻度が高かった。

 今回の研究では、学歴が低い従業員と比べて、学歴が高い従業員では、うつ病を理由に欠勤しやすいこと、また、学歴が中程度か低い45~64歳の男性は、より若い男性と比べてうつ病があっても出勤する確率が高いことなども分かった。

 Evans-Lacko 氏らは、この結果はこれらの因果関係を証明したものではないとしつつも、「管理職がうつ病の従業員を積極的に支援できるように教育する企業理念や対策が、その国の経済を支えるためには重要であることを示したものだ」と説明している。

 また、「メンタルヘルスの問題に関連する社会的なコストは相当な額に上ることから、上司が部下のうつ病を受け入れ、支援しやすい環境整備を早急に進める必要があるだろう」と話している。
(文=編集部)

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