急いでトランクスを買いに走る必要はない
また今回の研究では、精子の形成を促す卵胞刺激ホルモン(FSH)の値は、ブリーフなどのきつめの下着派の男性と比べて、トランクス派の男性で14%低いことも分かった。
この点についてChavarro氏は「きつめの下着を着用することで低下した精子産生能を補う代償的な反応として、FSH値が上昇するのではないか」と考察している。
ただし、FSH値が上昇しても、きつめの下着派の男性の精子数はトランクス派の男性に追いついていないことから、「もしFSH値が上昇しなければ、きつめの下着を着けている男性では、さらに大幅に精子数が減少していたかもしれない」と指摘している。
一方、今回の研究報告を受け、米エモリー不妊治療センターのJennifer Kawwass氏は、男性に対して「精子の数が減ることを恐れて、急いでトランクスを買いに走る必要はない」と呼び掛けている。
同氏は「今回の研究は、ブリーフ着用と不妊に因果関係があることを証明したものではなく、このような精子数の差は、不妊の原因であるのかは不明だ」としている。
さらに同氏は、研究では「不妊治療を求めた男性」を対象としていた点に言及し、「この結果を全ての男性に当てはめることはできないのでは」との見方を示している。
(文=編集部)