問題は「人生最初の記憶が架空のものだと気づいていない」こと
Akhtar氏は「こうした誤った記憶は、小さいころに乗ったベビーカーや悲しい気持ちといった乳児期から幼少期の体験の断片で作り上げられたものだ」と話している。同氏によれば、こうした記憶には後に想像した詳細な情報が付け加えられることもあるという。
論文の共著者であるロンドン大学のMartin Conway氏は「今回報告された記憶を徹底的に調べたところ、こうした人生最初の記憶の多くは、ベビーカーなどの幼少期に典型的な事柄に関連していた」と指摘する。
たとえば、誰かから「母親は大きな緑色のベビーカーを持っていた」という話を聞き、それがどのようなものだったかを想像するうちに、その断片が記憶として認識され、さらに情報が加えられていくと、同氏は説明している。
さらに、Conway氏は「今回の研究で重要なのは、多くの人はこうした人生最初の記憶が架空のものだと気づいていないことだ。実際に、その記憶は本物ではないと言われても信じない人が多い」と話している。
(文=編集部)