高速道路の逆走事故は死亡率が13%(depositphotos.com)
日本の高速道路上での逆走事案は、「およそ〇日に1回の割合」で発生しているか? そう問われたら、さて、あなたは〇内の数字をどう回答するだろうか? 正解は「2日に1回」、実に驚愕の事実である。
とても信じがたい、それはもしや四捨五入の数字なのでは!? と疑い深い方には、平成26年=212件、同27年=259件、同28年=249件という近過去の推移を提示しておこう。
これは国土交通省及び高速道路会社管理の「高速道路」における近年の、事故または確保に至った逆走案件の数字なのである(出典:警察の協力を得て国土交通省/高速道路会社が作成したもの)。
つまり「2日に1回」は四捨五入でもゲタを履かせた物言いではなく、むしろ割り引いた(ゆえに驚愕の!)発生件数である事実がわかるだろう。
では、タクシー業界でいう「上の道(高速道路)」の発生件数が2日に1回の割合であるならば、「下の道(一般道路)」はどうなのだろうか? 皮肉にも、その逆走実態を物語るような事故がお盆明け直後の週末/週明けに相次いで報じられた。
8月に発生した2件の逆走事故
まずは8月18日の午前中に起きた、山形県上山市金瓶の国道13号下り車線上での発生案件――無職男性(84)と妻(82)が同乗していた軽乗用車が、前から来た会社員(30)の軽乗用車(妻と長男が同乗)に正面衝突し、5人が死傷した。
これはわざと言葉を省いて記したが、賢明な読者はもうおわかりだろう。そう、下り車線を「逆走してきた」のは前者(違反車)のほうであり、「前から来た」後者のほうが法令順守の、いわば被害者だ。
その3日後の8月21日午後、今度は北海道根室市の国道44号で69歳の男性が操るレンタカーが反対車線をずっと走行し(目撃者証言)、正面から来た軽乗用車を衝突大破させ、相手側の55歳女性を死亡させた……。
こうした一般道における車線の勘違い案件や、悪質な飲酒運転による逆走行為、あるいは認知症が原因と思しき逆走案件は8月に限っても多発している。
閑話休題。ここでもう一度、ハンドルを戻すがごとく「高速道路」での逆走事例、その原因のほうへ引き返そう。そこで再び、次の問いに答えてほしい。
「同乗者との会話に夢中なあまり」「ナビの指示を読み違えて」「ついボーッとしていて」「車線変更のタイミングを逃して」……等々、ミスの原因が何であれ、あなたがもし、目的地への最寄り高速出口をうっかり通り過ぎてしまった(あるいは間違って早く降りかけた)という場合、下記のうち、どの手段を咄嗟に選びますか?