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障害者雇用率の水増し発覚! オワコン? 24時間テレビの裏でバリバラが皮肉の本音を……

中央省庁では法定雇用率の水増しが

 障害者との共生を謳いながら、実際は共生など目指していないのではないか──。そう思わせるのは、『24時間テレビ』だけではなく中央省庁も同様だ。

 現在、障害者雇用促進法という法律により、従業員数のうち、民間企業は2.2%、国と地方公共団体は2.5%の障害者を雇用しなければいけないことになっている。

 この旗ふり役をしているのが厚生労働省であり、雇用率を達成しない企業からは納付金を徴収しているだけでなく、企業名を公表したり、公共事業への入札を制限するなどの措置を取っている。

 ところが、国土交通省や総務省など複数の省庁で、障害者手帳や診断書を持たない職員を障害者として算入するなどの方法で、障害者雇用率を水増ししていたことが明らかになったのだ。

 「障害者とともに生きる社会を目指す」と掛け声だけは美しいが、実際は本当に障害者の望む形にはなっていない――。『24時間テレビ』と今回の中央省庁の問題には、そんな同じ傾向が感じ取られてならない。

 これよみがしのアピールではなく、ささやかな日常の暮らしやイベントを、障害がある人も、ない人も、一緒に楽しむ。そんな当たり前のことから本当の共生は始まるということを、改めて胸に刻みたい。
(文=里中高志)

里中高志(さとなか・たかし)

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大正大学大学院宗教学専攻修了。精神保健福祉ジャーナリストとして『サイゾー』『新潮45』などで執筆。メンタルヘルスと宗教を得意分野とする。著書に精神障害者の就労の現状をルポした『精神障害者枠で働く』(中央法規出版)がある。

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