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【連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」第44回】

薬物中毒死急増のアメリカで平均余命が短縮! 日本のドラッグ汚染はどこまで?

我が国のドラッグ汚染対策の現況について

 我が国では、アメリカの薬物中毒死の如き「全死因に対する麻薬・覚醒剤中毒死の詳細な統計的調査」はなされていない。しかし、最近の日本人死因別分類で、自殺や不慮の事故において、相当の薬物中毒も含まれている可能性は否定できない。また、麻薬・覚醒剤の中毒患者で心疾患や悪性新生物などが、直接、死因として示され、中毒も死亡に影響した例も存在するであろう。

 覚醒剤取締法や大麻取締法などの効率の整備が徹底され、薬物犯罪は減少しつつある。また、暴力団などの非合法組織に対する徹底した対応により、薬物の流通も減少傾向にある。加えて、地域による不正大麻撲滅運動などによる国民的啓発運動が広く実施され、成果も挙げている。さらに厚生労働省による青少年層などへの薬物乱用防止普及啓発活動、FacebookやTwitterを活用しての啓蒙も大きな役割を果たしている。

 今後これらの活動をさらに強力に推進させることにより、薬物中毒による被害を防ぐことが求められよう。
(文=横山隆)

連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」バックナンバー

横山隆(よこやま・たかし)

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリニカルトキシコロジスト、日本腎臓学会および日本透析学会専門医、指導医。
1977年、札幌医科大学卒、青森県立病院、国立西札幌病院、東京女子医科大学腎臓病総合医療センター助手、札幌徳洲会病院腎臓内科部長、札幌東徳洲会病院腎臓内科・血液浄化センター長などを経て、2014年より札幌中央病院腎臓内科・透析センター長などをへて現職。
専門領域:急性薬物中毒患者の治療特に急性血液浄化療法、透析療法および急性、慢性腎臓病患者の治療。
所属学会:日本中毒学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本内科学会、日本小児科学会、日本アフェレシス学会、日本急性血液浄化学会、国際腎臓学会、米国腎臓学会、欧州透析移植学会など。

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