我が国のドラッグ汚染対策の現況について
我が国では、アメリカの薬物中毒死の如き「全死因に対する麻薬・覚醒剤中毒死の詳細な統計的調査」はなされていない。しかし、最近の日本人死因別分類で、自殺や不慮の事故において、相当の薬物中毒も含まれている可能性は否定できない。また、麻薬・覚醒剤の中毒患者で心疾患や悪性新生物などが、直接、死因として示され、中毒も死亡に影響した例も存在するであろう。
覚醒剤取締法や大麻取締法などの効率の整備が徹底され、薬物犯罪は減少しつつある。また、暴力団などの非合法組織に対する徹底した対応により、薬物の流通も減少傾向にある。加えて、地域による不正大麻撲滅運動などによる国民的啓発運動が広く実施され、成果も挙げている。さらに厚生労働省による青少年層などへの薬物乱用防止普及啓発活動、FacebookやTwitterを活用しての啓蒙も大きな役割を果たしている。
今後これらの活動をさらに強力に推進させることにより、薬物中毒による被害を防ぐことが求められよう。
(文=横山隆)