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既婚者より「未婚者」「死別者」は認知症のリスクが高く、「離婚者」は脳卒中・肝硬変リスクが高い

離婚すれば、脳卒中、肝硬変のリスク、自殺に至る恐れも

 ところで、パートナーとの離別・死別は、認知症だけでなく、脳卒中や肝硬変、余命にも影響を及ぼすとする報告もある。日本人の生活習慣とさまざまな病気との関係を究明し、生活習慣病の予防や健康寿命の延伸に役立てるための多目的コホート研究(JPHC研究:Japan Public Health Center-based prospective Study)を見よう。
 
 昨年(2016年)3月28日、国立がん研究センターの予防研究グループは、約15年に渡って追跡調査し、「婚姻状況の変化(既婚者から非婚者へ)」と「脳卒中発症のリスク」との関連性を発表した。対象は、研究開始時の1990年(および1993年)に、全国9カ所の保健所管内で既婚者だった40〜69歳の男女約5万人。調査開始から5年前に配偶者と同居(既婚)していた対象者が選ばれ、婚姻状況の変化による影響を調べた。

 その結果、2134人が脳卒中を発症し、婚姻状況に変化が生じた人ほど発症リスクが高かった。特に脳出血のリスクが高く、男女差は見られなかった。

 また、国立社会保障・人口問題研究所が発行する雑誌『人口問題研究』(1999年)は、日本人の男女を「①配偶者あり」「②配偶者と死別」「③配偶者と離別」「④未婚」の4グループに分類し、それぞれの「平均余命」を算出して公表した。

 その結果、婚姻状況の変化がアルコール摂取量を増加させるため、肝硬変などの発症リスクが高まることが判明。さらに、居住形態や経済環境が一変し、人間関係の悪化や破綻によるストレス過剰に陥れば、最悪の場合は自殺に至るリスクが強まる事実が確かめられた。 

 今回の研究成果は、どれも恐ろしい。それは男女差がないからだ――。冒頭の名言を想起しよう。「妻は夫が若いときは愛人になれ。夫が中年になったら友人になれ。夫が年をとったら看護婦になれ」。古今東西、幸福な結婚の真理はただ一つ、夫婦円満!
(文=編集部)

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