「ナッツ」が心臓病・動脈硬化を防ぐ(depositphotos.com)
アーモンドやピーナッツ、クルミなど、酒のつまみやおやつにも手軽でおいしいナッツ類。モデルの道端アンジェリカさんが積極的に食べていることでも知られているが、最近はナッツ専門店がオープンしたり、ナッツを使ったスイーツが次々と登場したりするなど人気が急上昇している。
理由のひとつは、ナッツの持つさまざまな健康効果だ。地中海風の食事スタイルでよく食べられるカシューナッツ、クルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツなどは、死亡リスクを減らす効果があると証明されている。
つい先日もアメリカで、ナッツの摂取に関する過去最大規模の研究を通じて、その優秀さが発表された。
11月13日の米国心臓病学会誌『Journal of the American College of Cardiology』に掲載された研究論文によると、さまざまなナッツを日常的に食べている人は、そうでない人より心臓病リスクが低下する可能性があるという。
クルミ週1回で心臓病・動脈硬化の合併症リスクが低下
今回の研究は、32年にわたる看護師健康調査の一環として実施された定期的アンケートの回答に基づくもの。21万人分以上の回答を分析した非常に大規模なものだ。
それによると、クルミ、ピーナツ、その他ナッツ類合わせて28gを週に5日食べることが、心臓病リスクの14%低下、および動脈硬化による致死性合併症のリスクの20%低下と関連していたという。
また今回の研究では、クルミが最も健康的な選択肢であることが示されたようだ。「個人のナッツ摂取量を調査した結果、クルミを週に1回以上食べることは、心臓病リスクの19%低下と冠状動脈性心臓病リスクの21%低下に関連していた」とこの論文は述べている。
さらにピーナツを週に2回以上食べる人は、全く食べない人より心臓病リスクが13%低下。それ以外のアーモンド、カシューナッツ、クリ、ピスタチオなどの木の実類では、同じく15%の低下がみられた。
ただし、今回の研究は自己評価質問表の回答に基づく観察研究であるため、因果関係を証明するものではない。
だが、論文の主執筆者である米ハーバード大学公衆衛生大学院・栄養学部の研究員のマルタ・グアシュ・フェレ氏は「一般の人の慢性疾患リスクを下げる食習慣のひとつとして、さまざまな種類のナッツの摂取量を増やすことが推奨されているが、今回の研究結果はこのアドバイスを裏づけるものだ」と述べている。