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オリックスが「潰瘍性大腸炎発症」で選手を解雇~<腸の病気>は食生活の影響か?

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「潰瘍性大腸炎」で戦力外通告となった中道勝士選手(画像はオリックス・バファローズ公式Instagramより)

 2017年プロ野球ドラフト会議が終了。7球団競合の末、日本ハムが交渉権を引き当てた早実の清宮幸太郎(18)選手を筆頭に、将来のプロ野球界を背負う期待の新人たちが続々と入団してきます。

 しかし、入る選手がいれば、戦力外とされ出される選手もいます。毎年、この時期になると、プロ野球界の厳しさが浮き彫りになります。

「潰瘍性大腸炎」で戦力外通告を受けた中道勝士選手

 今年も例外ではなく多くの選手が戦力外として解雇されていますが、スポーツ新聞を見て「それはないだろう!」と、思ったのが、潰瘍性大腸炎に罹ったオリックスの中道勝士選手(23)が、1年で戦力外通告(解雇)を受けたというのです。

 中道選手は昨年(2016年)のドラフトで、オリックスに育成5位に指名されました。1994年4月生まれの奈良県出身。甲子園の強豪智弁学園高校から明治大学を経て入団しました。173センチメートルと小柄な選手ですが、シェアな打撃や捕手のキャッチングの上手さが買われていました。

 それがわずか1年で解雇となってしまったのです。プロの世界ですから、力が足りないと言われればそれまででしょうが、中道選手の場合は事情が違います。

 中道選手は昨年12月に潰瘍性大腸炎を発症し、病と闘いながら練習を続けていた1年間でした。潰瘍性大腸炎は厚生労働省が特定疾患に定める難病で、腹痛や倦怠感、虚脱感などの症状が出ます。

 同じ炎症性腸疾患で難病指定されているクローン病同様、原因ははっきり分かっていませんが、食生活の影響が大きいと言われ、腸内細菌の異常、自己免疫反応の異常、人工甘味料の使用などが指摘されています。

 潰瘍性大腸炎は最近若者に急増しています。発症年齢は男性で10~30歳に多く、女性は25~29歳が多くなっています。平成25年度の患者数は約16万人で、毎年5000人程度増えています。

 中道選手は食事制限と投薬治療を行いながら1軍入りを目指していましたが、1軍入りどころか、わずか1年で戦力外通告を受けたのです。「自分の力が、プロでやっていけるものかどうか、そこの部分すらわからない段階でチームを離れることになってしまい、自分でも踏切りがつかない」と、中道選手はスポーツ新聞紙上で無念さをはき出しています。

 実はオリックス球団で難病指定の潰瘍性大腸炎を発症しているのは、中道選手だけではありません。昨年(2016年)1月に安達了一選手(29歳)も発症したのです。2011年のドラフト1位で東芝から入団、1年目から1軍で活躍しています。今シーズンは潰瘍性大腸炎の影響からか、体調不良で不本意な成績に終わっています。

 それにしても、国から難病指定されている潰瘍性大腸炎を発症した選手が、同一球団から2名も出たのです。単なる偶然では片付けられないと思います。

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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