20代男性の4割が召喚状対象か……
また、今回の『オトナ高校』よりも先に、第2期の放映がスタートしたテレビ東京系の深夜アニメ『おそ松さん』の紹介記事でも「20代で兄弟揃って童貞」という6つ子のキャラ造形が、決して笑えない時代相であることも提示した(参考:あなたの中の<おそ松さん>度は~笑えない? ギャンブル依存症でニートな童貞……)。
その際に引いた大手コンドームメーカーの調査資料『ニッポンのセックス』(相模ゴム工業:2013年調べ)によれば、20代男性の童貞率は40.6%という〈おそ松さん〉ぶりが……が、同じ分析上、初体験の男女平均年齢が20.3%であり〈性体験格差〉を覗わせた。
また、絶食系男子の実勢を追った過去記事では、結婚相手紹介サービス会社の『新成人意識調査』(オーネット調べ:2015年)から「女性と交際した経験がない」20歳の男性が約半数、「交際したいと思っている男性」も2000年時の91.6%→64.6%へと15年間で激減の様相を伝えた(参考:20歳まで女性と交際したことがない男性が半数も! 草食系の上をゆく「絶食系男子」増加の背景は?)。
「モテ詐欺の55歳童貞部長」「エリート童貞」「バリキャリ処女」
こうした嘆かわしい男女事情の趨勢下(=少子化現象)に一石を投じるべく、ドラマだからこそ出来る大胆な仮設提案を押し出してきた注目の『オトナの学校』。
<モテ詐欺の55歳童貞部長>を高橋克美さんが演じるのは当然の適役(高橋さん本人は再婚・2児のパパ)としても、なぜ3高イケメン役の春馬さんが30歳にして<エリート童貞>を演じ、あの黒木メイサさんがこともあろうに<都合のいいバリキャリ処女>役に扮しているのか?
その役柄の性格上の問題や世間知からのズレ具合、単なるオタク事情や非モテ分析を越えようとする新ドラマの視点に第2話以降も注目したい。
(文=編集部)