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ブロッコリーは「スーパーフード」! 新芽の物質は「糖尿病」「薄毛」の救世主か

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ブロッコリーの新芽に含まれている物質には糖尿病や育毛の効果も期待(depositphotos.com)

 お通じを良くし、お肌の大敵である活性酸素の攻撃を防いでくれて、健康的な骨を作る成分も豊富な、アブラナ科アブラナ属の緑黄色といえば何?

 そう、最近にわかに注目され「スーパーフード」級に躍り出てきた「ブロッコリー」である。

 まず、含まれる「食物繊維」の豊富さがすごい。レタスが100gあたり1.1g、さつまいもが2.3gなのに対し、ブロッコリーはなんと4.4g、つまりレタス比で4倍も含まれているのだ。

 そして「ビタミンC」の含有量もハンパではなく、レモン果汁が100gあたり50㎎、次いでグレープフルーツが36㎎なのに対し、ブロッコリーは120㎎と圧倒的な主役ぶりをみせつける。

 しかも骨を作る成分のカルシウムに加え、それを新しく変えてゆく役割のマグネシウムやカリウムなどのミネラルもバランス良く含んでおり、年間を通して手に入りやすい野菜である点も俄然注目されている要素なのだ。

ブロッコリーの新芽は「2型糖尿病患者」の血糖コントロールに役立つ

 そして今回は、そのブロッコリーの新芽(=ブロッコリースプラウト)に多く含まれている「スルフォラファン」と呼ばれる物質の効能に関する話題を紹介したい。

 『Science Translational Medicine』(6月14日号)に掲載された研究報告によれば、この物質が肥満を伴なう「2型糖尿病患者」の血糖コントロールに役立つ可能性が示唆されて耳目を集めている。

 イェーテボリ大学(スウェーデン)のAnders Rosengren氏を筆頭とする研究班は、糖尿病薬「メトホルミン」を服用中の2型糖尿病患者97人(いずれもスカンジナビア人)を対象とし、スルフォラファンの有効性を検討する臨床試験を行なった。

 被験者の大勢は良好な血糖コントロール下で管理されていたが、37人に関しては管理不良の該当者だったという。

 試験では、服用中のメトホルミンに加えて粉末状のスルフォラファンを12週間摂取してもらう患者群と、プラセボの粉末を摂取する患者群をランダムに振り分けて観察が行なわれた。

 検証の結果、研究開始時点で「管理不良」だった肥満を伴なう患者群において、スルフォラファンの摂取効果が読み取れた。具体的には、「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」の平均値が開始時の約7.4%から12週間後の数値で約7.0%へと低下していた。

 ちなみに、米国糖尿病学会がほとんどの糖尿病患者に対して提案している「A1c目標値」が7%だというから、今回の実験成果は無視できない示唆だろう。

 もっともRosengren氏ら研究陣自体は謙虚にも、この試験が小規模にして追跡期間も短い点、しかも対象患者がそもそもメトホルミン服用層であるため「スルフォラファン単独の作用を確認したものではない」と強調している。

 だが、当然ながら今後、彼ら研究班は件の物質が「糖尿病前症から2型糖尿病への進展を抑制できるのかどうかを調べたい」と意欲を示し、さらに肝臓におけるグルコース産生抑制を目的としたスルフォラファン使用の特許を出願中だ。

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