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東京五輪までに整備を進める「自転車レーン」で本当に事故は減少するのか?

プロのドライバーが危惧する「自転車レーン」

 筆者が取材したタクシードライバーや宅配便ドライバーは、次のように話す。

 「車道の逆走はもちろん、いきなり後ろも見ずに進路変更したり、ほろ酔い操行もスマホ操行も減らないわ、イヤホンしながらわがもの顔でド真ん中を走っているからこちらの存在に気づかない」

 「車両として守るべき一時停止も赤信号もいっさい無視して、歩行者と接触しかけても謝るどころか中指立てて走り去る……そんな連中が車道に出てくるわけですから、危ない、危ない」

 「ナビ誘導と同時にヘルメットも義務付けないとダメ。ウエアも自転車も高価そうな連中はきちんと被っていますが、並走する我々からは、どうもスピード対抗意識が過剰に思えて……。(右折車に譲った際の)サンキュー事故は多発する気もしますね」

 いずれも職業柄、朝の点呼時に「自転車の飛び出しやすり抜けにくれぐれも注意!」を耳タコもので吹き込まれている業種の方々の実感だ。

 あるタクシードライバーは、「乗車・降車時のドアオープンにはこれまで以上に気をつかわないと」と語り、ドライバー自身の不注意や死角からのすり抜けによるトラブル案件がいかに多いかを教えてくれた。

 ところで件の「自転車ナビマーク」、警視庁としては2020年の「東京オリンピック/パラリンピック」までに都内全域に広げたい方針らしい。だが、これは法律上で定められたものではなく、そこを走らなかったとしても自転車利用者が罰せられることはない。

 どこか「禁煙の規則」を彷彿とさせる、つまりは「国民のマナー向上」のみが最大の事故軽減効果を生むのだろうか。
(文=編集部)

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