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【連載「“国民病”腰痛の8割以上はなぜ治らないのか」第22回】

<人をダメにする>クッションやソファは<腰をダメにする>!? 同じ姿勢が体に与えるダメージ

姿勢の適度な使い分けが腰痛リスクをぐっと減らす

 <心地よいソファ>を使用するな! ということではない。そのような危険性がある、ということを頭に入れた上で使用するだけで腰痛の危険性を減らせる。

 たとえば、立ち上がる瞬間に「気をつけよう」という意識が生まれる。それだけで、ぎっくり腰を予防するのに有効な習慣となる。また、一日中そのようなソファを使うことをせずに、背筋を伸ばした状態とリラックスした姿勢を適度に使い分けることで、腰痛を招く可能性がグッと減る。

 また、近年では、座り続けること自体が人間の寿命を縮める可能性が示すという研究結果が次々と報告されている。一日に何時間も椅子に座り、デスクワークに追われると、腰痛や肩こり、運動不足など、座りっぱなしのデメリットは以前からも言われていた。

 2014年にはスウェーデン・カロリンスカ医学大学の研究チームが「座って過ごす時間(坐位時間)が短い人ほど、遺伝子のテロメアが長い」ことを報告。ほかにも、カナダ・トロント大学の研究者らが、坐位時間が長い人ほど、がんや心血管疾患(CVD)、2型糖尿病に罹る確率が高く、死亡リスクが高いという論文を発表している。

 座りぱなしや同じ姿勢を続けるのは、腰痛に限らずさまざまな不調を招く要因が潜んでいるということを心しておきたい。


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三木貴弘(みき・たかひろ)
理学療法士。日本で理学療法士として勤務した後、豪・Curtin大学に留学。オーストラリアで最新の医療、理学療法を学ぶ。2014年に帰国し、東京の医療機関に理学療法士として勤務。現在は札幌市の整形外科専門の医療機関に勤務。その傍ら、一般の人に対しても正しい医療知識をわかりやすく伝えるために執筆活動にも力を入れている。執筆依頼は、”Contact.mikitaka@gmail.com”まで。
 
連載「国民病”腰痛の8割以上はなぜ治らないのか」バックナンバー

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