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【シリーズ「AIと医療イノベーション」第6回】

日本人の仕事の49%が「AI」や「ロボット」に奪われる!アンケートでは28%の人がAIを脅威に

回答者の28%がAIに対して脅威を

 AIに対する脅威感はどうだろう? どちらかと言えば脅威を感じる20%、かなり脅威を感じる8%。合計28%の人がAIに脅威を感じていた。脅威と感じるのは、システムエラーによる事故や社会混乱58%、知能が人類を超えて制御不能になる46%、自分の仕事を奪われる25%、自我を持てば人類の敵になる24%だった。人間に敵意を持つリスクを感じる人も少なくない。

 AIが印象的な映画は、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『ターミネーター』が21%で最多。『ターミネーター』を選んだ理由は、進化したAIが人類を不要と判断すれば怖い、人間と区別できない容姿が恐ろしい、ロボットに支配される世界が現実になる可能性は否定できない、自我を持てば人間はコントロールできないなどのコメントが寄せられた。

 キアヌ・リーヴス主演の映画『マトリックス』と回答した人も4%あった。AIが人間を支配しようとすれば簡単にできそう、近い将来に現実になりそうなどの意見が見られた。

 その他、人間のように愛を求めるAIを描いたスティーヴン・スピルバーグ監督の『A.I.』は7%の人が支持。AIに感情が芽生えると廃棄しにくくなる、人間とマシンの越えられない壁に苦悩するAIがかわいそうなどの感想が多かった。あなたはどのように感じただろう?

シンギュラリティ(技術的特異点)は訪れるか?

 さて、AIと人類。互いの役割とミッションを認識し合えば、共存できるのだろうか? レイ・カーツワイルが自著『ポスト・ヒューマン誕生――コンピュータが人類の知性を超えるとき』で語っているシンギュラリティ(技術的特異点)は訪れるのだろうか?

 シンギュラリティは、AIが人間の能力を超えた時に、テクノロジーが急速に変化するため、人間の生活が後戻りできないほどに変容し、人類に甚大な影響がもたらされるとする未来予測だ。人類の技術開発のレベルから推測される未来モデルの限界点と言ってもいい。

 シンギュラリティが訪れると、どのような状況に変容するのだろう?

 AIが人間よりも賢くなれば、人間の代わりに技術研究や実験を行うだろう。人間の脳を完全にデジタル化できれば、人間の不老不死も夢でなくなるかもしれない。しかし、人間の仕事がAIに奪われるため、夥しい失業者が発生し、社会混乱を招く……。

 果たして2045年にシンギュラリティは来るのか?


佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

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