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ベッドの中でスマホを見続けて<スマホ失明>!? 急増する若者の<スマホ老眼>が進むと……

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ベッドの中で片目でスマホを見続けると……(shutterstock.com)

 生まれた時からデジタル機器を乳母代わりとし、子守歌もスマホ音源で聴いて育ったような世代――。

 情報の利便性や娯楽アプリの恩恵を幼少期から甘受してきた結果は、恐ろしいことになりそうだ。

 現在、20代や30代に急増中とされる「スマホ老眼」。一般的にスマホ利用時は、PC画面よりも目の距離が近い。文字どおり「四六時中」見ている人が多い分、悪影響の度合いも、PCの比ではないだろう。

 加えて今後は「スマホ失明」という、恐ろしいリスクがささやかれることになるかもしれない。米医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載された「Transient Smartphone “Blindness”」、直訳すれば「一過性スマホ失明」と題された論文が注目されている。

 論文を執筆した英国の研究チームは、似たような症状で医師の元を訪れてきた2人の女性患者の例を紹介。それぞれが早朝と深夜、「一時的に目が見えなくなって……」と不測の事態を訴えて来院した。

画面集中と枕に埋まった両目の<ちぐはぐ現象>

 問診の結果、2人の患者の症状は、いずれも暗い場所で(具体的には就寝前のベッドの中で)、しかも片目状態でスマホを見続けていたことから一時的に引き起こされたことが共通していた。

 このように「片目状態」で操作することは、毎晩寝床までスマホを持ち込む人のなかに思い当たる節があるだろう。SNSをチェックしたり、カートに入れた候補商品を熟考したりするうち、自然と横向きになり、片方の眼は枕に沈んでいないだろうか?

 これが就寝前にありがちな片目でのスマホ閲覧。ついつい睡魔も逃げ出すほどに時間が流れて、片目だけがランランと……という状態が続くとどうなるか。論文をまとめた研究班は、次のような仮説を立てている。

 「横向きで寝るのに従い、スマホを見ていたほうの眼は(画面の)光に慣れるが、枕で隠れるほうの眼は暗闇に慣れてゆく。それが寝る段になってスマホを手放すと、画面を見ていたほうの眼は、暗闇になれるまで多少の時間を要する。(そんなちぐはぐさから)一時的に失明のような状態が生じるのだろう」

高橋現一郎(たかはし・げんいちろう)

くにたち駅前眼科クリニック院長。1986年、東京慈恵会医科大学卒業。98年、東京慈恵会医科大学眼科学教室講師、2002年、Discoveries in sight laboratory, Devers eye institute(米国)留学、2006年、東京慈恵会医科大学附属青戸病院眼科診療部長、東京慈恵会医科大学眼科学講座准教授、2012年より東京慈恵会医科大学葛飾医療センター眼科診療部長。2019年4月より現職。
日本眼科学会専門医・指導医、東京緑内障セミナー幹事、国際視野学会会員。厚労省「重篤副作用疾患別対応マニュアル作成委員会」委員、日本眼科手術学会理事、日本緑内障学会評議員、日本神経眼科学会評議員などを歴任。

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