肥満は脂肪よりも精製された穀物や砂糖に原因?
結論として因果関係は明らかにできなかったが、地中海食はコレステロールや体重、血糖値を低下させるほか、抗酸化物質が豊富であることも健康増進をもたらすと言えるという。何より注目すべきは、脂質制限がない点だ。
「米国ではこの30年、あらゆる脂肪の摂取量を減らすことが重要とされてきた。だが今回の研究で、健康的な食事であれば脂肪、特に良質の脂肪が多く含まれていてもかまわないことがわかった」
「米国の肥満問題は脂肪よりも、精製された穀物や砂糖の摂取量の増加によるところが大きいのかもしれない」とBloomfield氏は述べている。
今の食事に取り入れるのも簡単
日本人の食生活は、もともと地中海食を取り入れやすい。
まず、調理用の油やサラダ用の油をオリーブオイルに変えて、果物や野菜の摂取量を増やす。さらに肉を減らして、週に数回魚料理に置き換えるだけでもよい。
メニューもシンプルで十分。たとえば生野菜やオリーブ、チーズを彩りよく皿に盛り、塩コショウとオリーブオイルを加えれば地中海式サラダに。
魚の切り身をたっぷりのオリーブオイルでムニエルにし、少量のバターやレモン汁で風味づけをすれば、おいしくてカラダが喜ぶ魚料理だ。オリーブオイルを垂らした冷奴も、豆製品をたっぷり摂れる立派な地中海食といえる。
「ダイエット食は油分が少なくて美味しくない」「体にいい食事は続かない」と思っていた人には、今回の研究結果は朗報だ。前述の7つの条件を参考にして、ぜひ試してみてはどうだろうか。
(文=編集部)