乳酸菌でコレステロールの値を調整
コレステロールの値を調節するためには、やはり生活習慣を改善することが大切になってくる。食べ過ぎや脂肪食の多い食生活を避け、適度な運動を続ける。
そんなときに役立つのが乳酸菌だ。乳酸菌にはコレステロール値の上昇を抑制し、LDLとHDLの割合を調整するなどの効果があることは、これまで多くの実験で証明されてきている。
古くは1970年代に発酵乳を用いたマサイ人の実験の報告がある。1990年代に入ってからはプラセボを用いた実験なども行われるようになり、血中の総コレステロールだけではなく、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪との関連なども調べられるようになった。
たとえば、ガセリ菌SP株を含む発酵乳を血中総コレステロール値が高めの男性群に、1日200g、11週間摂取してもらい、摂取終了時に非摂取群およびプラセボ発酵乳摂取群と比較したところ、総コレステロール値が有意に低下したという報告がある。一方、同じような実験で、血中総コレステロールには明らかな差がなかったものの、HDLコレステロールが有意に増加したという報告もある。
なお、通常余分なコレステロールは、腸内細菌によって2次胆汁酸やコプロスタノールという物質に分解され、便中に排泄される。ビフィズス菌は腸内のコレステロールのおよそ50%をコプロスタノールに分解する働きがあることも分かってきた。
脂質異常症に悩む人、あるいはその予防のためには、食生活を見直すとともに、乳酸菌やビフィズス菌を上手に利用することをおすすめする。
コレステロールに関連する乳酸菌には、GCL1176株、BC90株、N-1株、SBT2055株(ガセリ菌SP株)などがあげられる。