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【インタビュー「ここから変わる! 美容外科の世界~グローバル化する日本の美容医療」第2回 聖心美容クリニック 鎌倉達郎 統括院長】

「死体」を用いたライブ手術で技術を習得~“盗み取る”時代からグローバルな交流へ

死体を解剖しながら確認

 この学会に先立ち鎌倉医師は、自身がIMCASとのコラボレーションして立ち上げた企画で、今年1月に開催された注目のカンファレンス「IMCAS LIVE ANATOMY in TOKYO」に日本代表として参加。パリ・台北・東京の3都市を同時中継で結び、合併症の危険性や対処法について報告と活発な意見が交わされた。

 「このときのメイン企画は、パリで行われた『IMCAS World Congress』のカダバーセッションのライブ中継。このようなスタイルは日本では初の試みで、国内の医師が多く参加しました」

 カダバー(cadaver)とは、解剖に使われる献体(死体)という意味だ。ライブ中継は、ボランティアによる生体への治療を行いつつ、死体を解剖しながら確認するという実践的な内容となった。

 「カダバーを用いたセッションは、患者の体内でどのような反応が起こり、解剖学的にどの部位に治療が行われているのかをリアルタイムに確認できる貴重なもの。世界最高峰の美容医療テクニックを学ぶ機会となりました」

 パリの病院からの中継では、解剖医がカダバーを用いて顔面の血管や神経の位置を説明し、その後に形成外科医が生体への施術を行った。

 「現在手術が増えているアンチエイジングの注入術は、外科手術に比べて簡単な施術に思われがちですが、血管や神経、皮下層などの解剖学的な知識が不可欠。カダバーを使って顔面組織をレイヤーに分けてポイントを学ぶことは、技術をより確かなものにします」

 鎌倉医師は「美容医療において日本はアジア圏でのリーダー的存在であることは間違いない」としつつも、絶対的なレベルアップ、底上げの必要性を説き、こう締めくくった。

 「日本の美容医療は、最初は開業医や現在の美容医療とは全く異なる他科の医師たちが牽引して始まったという歴史がある。そこに大学病院など学術的な要素を取り入れてきたことで現在の美容医療が確立してきた。グローバルなレベルでの成長には、学術的な評価と臨床のバランスが大切です。それに不可欠なのは、医師の教育システム。今、準備を進めているのは、医師同士、指導する側と指導を受けたい側のニーズを引き合わせるマッチングシステムです。美容医療の未来へ向けて、私なりにできる取り組みを続けようと考えています」


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鎌倉 達郎(かまくら たつろう)
聖心美容クリニック統括院長。豊富な臨床経験を持ち、ボディデザインのほか、顔面形成などの高度な技術を要する手術で高い評価を得ている。「脂肪幹細胞移植」による豊胸術の導入など、再生医療を応用した新しい美容医療の確立に向け積極的に取り組んでいる。宮崎医科大学医学部卒業、九州大学生体防御医学研究所附属病院(現・九州大学病院別府先進医療センター)勤務などを経て現職。
聖心美容クリニック www.biyougeka.com

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