猫カフェ、里親を探す
今や全国で200軒以上が営業する猫カフェ。自宅で飼えないとも、猫にふれあい癒やされたい。足しげく通う愛猫家のそんな思いを裏切る業者に限って、WEBサイトには愛らしい猫の姿があふれる……。
だが、対極の「保護猫カフェ」の存在を知っているだろうか。
NPO法人「東京キャットガーディアン」は2008年、保護した猫の譲渡会場として開放型シェルターを猫カフェとして立ち上げた。全国初の試みだ。
里親希望者と猫とのお見合いの場所としての猫カフェ。入場料金は設定していないが、入室には寄付が必要となる。寄付金は保護猫の食事やトイレの砂、薬代などに当てられる。
大塚と西国分寺、そして蒲田にシェルターと保護猫カフェのある同法人は、2014年までに譲渡数4000頭を超えた。殺処分となる運命だった、猫4000匹の命を救ったのだ。
ほかにも、動物病院が運営する「hako bu neko」「猫の家」「しらさぎカフェ」、岐阜・大阪・東京で展開する「ネコリパブリック」、神奈川県3店舗の譲渡型猫カフェ「にゃんくる」などが活動している。
保護した猫の幸せが最優先ゆえ、カフェでは「大声を出さない」「ムリヤリ抱っこはNG」「尻尾はつかまない」「未就学児はお断り(あるいは保護者同伴)」などの注意事項が多いのも特徴だ。
そして、誰もが気軽に猫をもらえると思ったら大間違い。里親になるには、飼育可能な環境、養うための経済能力、同居者の同意、終生飼育するつもりがあるかなどを求めるカフェが多い。
何度もスタッフと面談する場合もある。それは、再び捨てられたり、転売されたり、虐待されたりすることを防ぐために必要だからだ。ワクチン代や避妊・去勢費用の経費が発生する保護猫カフェもある。
環境省は先頃、猫カフェ業者からの「猫は夜行性なのでストレスが少ないから20時以降の営業を認めてほしい」という要望を受け、営業時間を22時まで認めることを発表した。
猫に癒やされたい人は、できればそんな保護猫カフェを選んでほしい。あなたのそのチョイスが、猫の幸せを支えることになる。
(文=編集部)