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飲み過ぎ・食べ過ぎ・太り過ぎの三拍子が胃がんリスクをアップさせる!?

論議が続きそうな加工肉の健康問題

 この発表は、各リスク因子が胃がんに関連することを示したが、胃がんの「原因になる」と証明したわけではない。  

 ちなみに「加工肉」とは、燻製や塩漬け、あるいは塩や保存料の追加手段で味を変えたり、賞味期限を延ばしたりの加工が施されたもの。  

 既出のベーコンやソーセージ、ハムやホットドッグ以外にもサラミ、ビーフジャーキー、コーンビーフ、缶詰の肉や肉ベースのソースも含まれる。  

 加工肉については昨年、世界保健機構(WHO)の専門の国際がん研究機関(IARC)が「加工肉は発がん性につながる物質が加工段階で生成される」と指摘。1日50g食べると大腸がんのリスクが18%増加すると公表し、世界中に波紋を呼んだ。  

 50gグラムはソーセージなら2~3本、ハムなら3~4枚程度となる。これに対して、各国の関係者が反発し、とくに加工肉の生産大国では批判が続出。このため、WHOは後日、「加工肉を食べないよう要請するものではない」とする声明を出して、沈静化を図る異例の事態に。   

 WHOは肉の摂取自体は「健康上のメリットもある」ことを認めており、Cancer Research UK(=英国のがん研究機関)に名を連ねるオックスフォード大学教授もWHOの分類にこんな談話を寄せていた。

 「なにも加工肉や赤肉を一切口にしてはいけない、というわけではないでしょう。たくさん食べる人は、減らす方向で臨むのが賢明だろう。何ごともほどほどが肝要というのが健康な食生活の基本ですからね」  

 ならば昨今、日本に多く流通する「成型肉」(結着肉)はどうなのか? 活況著しい「霜降り加工肉」も……。多くの消費者は、成型肉が「加工」されていることをあまり意識せずに購入している節がある。新たな「加工肉」を巡る論議が起こりそうな気配だ。
(文=編集部)

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