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【連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」第19回】

取締の強化を急げ! インターネットを介して海外の「危険ドラッグ」が簡単に輸入されている

今回の事件から見えてくる問題点

 今回の北海道での事件浮き彫りとなった問題点は、今まで薬事法で包括指定制度が確立されて摘発された危険ドラッグ同様、覚醒剤や麻薬の領域でも、同じように次から次へと類似麻薬が製造・販売されていることである。

 その中には、服用するとどのような「効果」があるのか、副作用の心配があるのか、一般市民には理解できないものも少なくない。さらに、成分組成が明確でなく、その中毒量・致死量がまったくわからないことなど、懸念される点があまりにも多い。使用者が被害者となるばかりではなく、社会的犯罪を巻き込む可能性も高いことも予想される。 

 さらに深刻な問題は、危険ドラッグ、覚醒剤、麻薬に関するインターネットを利用しての取引である。情報化社会の急速な発展により、多くの市民が世界中の情報を、インターネットを介していつでもどこでもいとも簡単に入手できるようになった。しかし、有益な情報ばかりではなく、危険ドラッグに関する情報など、社会悪に通じる粗悪な情報も獲得し利用することも可能である。ネット上での危険ドラッグの取引に関しては、何らかの規制・取り締まりの強化が必要な時期に来ている。

連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」バックナンバー

横山隆(よこやま・たかし)

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリニカルトキシコロジスト、日本腎臓学会および日本透析学会専門医、指導医。
1977年、札幌医科大学卒、青森県立病院、国立西札幌病院、東京女子医科大学腎臓病総合医療センター助手、札幌徳洲会病院腎臓内科部長、札幌東徳洲会病院腎臓内科・血液浄化センター長などを経て、2014年より札幌中央病院腎臓内科・透析センター長などをへて現職。
専門領域:急性薬物中毒患者の治療特に急性血液浄化療法、透析療法および急性、慢性腎臓病患者の治療。
所属学会:日本中毒学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本内科学会、日本小児科学会、日本アフェレシス学会、日本急性血液浄化学会、国際腎臓学会、米国腎臓学会、欧州透析移植学会など。

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