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【インタビュー「足病変なら何でも診る。表参道に米国発『足病学』専門クリニックがオープン」第2回 足のクリニック表参道 桑原 靖院長】

外反母趾も巻き爪も足の構造異常。歪みを治すことで根治も可能

足底筋膜炎にはアキレス腱のストレッチ

 足の裏が激しく痛む「足底筋膜炎」も、よく見られる疾患である。朝起きて最初に体重をかけたときに強く痛み、歩き始めると和らぐのが特徴だが、慢性化すると痛みが続くこともある。これも足のアーチ構造が崩れ、足の裏でうまく衝撃を吸収できなくなったために生じる炎症だ。

 クリニックでは、まず「アキレス腱のストレッチ」を指導する。立った姿勢で壁に手をつき、脚を前後に開いて前の膝をゆっくり曲げる。後ろの足はかかとを床につけ、はずみをつけずにゆっくりと伸ばす。これだけで症状が改善する人もいるという。

 このほか、アーチ構造を支えるために、土踏まずの部分が立体的になったインソールを使用するのも効果がある。インソールは保険適用で、ひとりひとりの足の形に合せて義肢装具士が作成する。

 痛みが強い場合にはステロイド注射で炎症を抑えるほか、ナイトスプリント(夜間に装着するアキレス腱を伸ばすための装具)、専用の医療機器を使用した体外衝撃波治療(衝撃波を疼痛部位に宛てることで、痛みを軽減させる治療法)も提供している。

 「大切なのは、アキレス腱が硬くならないようにすること、それから骨のアーチ構造を保つようにすることです。ストレッチでアキレス腱を伸ばしたり、自分の足に合うしっかりしたインソールを使うことが、再発予防につながります」

 クリニックには、すでにいくつかの病院を受診していていながら、原因がわからず痛みどめや湿布を出されるだけですぐに再発を繰り返す「フットケア難民」も多く来院する。長年苦しんできた外反母趾や巻き爪が、手術で根治できたと喜ぶ患者も多いという。

「もちろん手術に抵抗があるという患者さんもいらっしゃいます。どの治療法を選択するかは、最終的には患者さんが決定することです。私たちの仕事は、根本の原因がどこにあるのかを探ること。それから、可能な限りの選択肢を探し、提示することです」

 患者さんが最適な選択ができるよう、各治療法のメリットやデメリットもしっかりと伝えるようにしているという。

桑原靖(くわはら・やすし)

足のクリニック表参道(www.ashi-clinic.jp)院長。1978年、静岡県生まれ。2004年、埼玉医科大学医学部を卒業。2006年、同大医学部形成外科入局。創傷治癒学、難治性創傷治療を専攻。外来医長、フットケア担当医師を経て、2013年、「足の診療所」を開設。2017年、医療法人社団 輝幸会「足のクリニック表参」に改称。道埼玉医科大学形成外科非常勤医師、日本下肢救済・足病学会評議員。

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