がん知識も意識もまだまだ低い日本の現実
がん検診の受診は市区町村によって差が見られる、同理事が明かした調査結果は次のような数字だ。
①個別受診奨励を行なっている市区町村は全体の半数以下(49%)
②未受診者への再奨励を行なっている市区町村は僅か6%。
また、同法人と女性向け健康情報サイト『ルナルナ』が共同意識調査(12~52歳の女性対象:有効回答数8132件)で浮き彫りにした実態は、次のとおり。
③子宮がんを「名前だけ知っている」61.3%
④子宮がんの原因は「まったく知らない(19.2%)」「あまり知らない(47.9%)」
実に、④の合計で67.1%にも上る。理解不十分の現状が明かされた。
一方、中学生向けがんの特別授業『生きるの教室』が自治体主導の自走式となるべく、マニュアル提供などで支援しているのがバイエル薬品。
受講前・後の印象を問われた生徒684名へのアンケート結果では、がんという病を「予防できる病気」「生活習慣が原因の1つとして考えられる病気」「早期に発見すれば治る」など受講後の意識向上が読み取れた。
再び南果歩さんのブログ上の体験談話を引かせてもらおう。
乳がんは「デリケートな問題を多分に含んでいる」と前置きしつつ彼女は、「まだまだ乳癌という現実を受け入れるのには時間が必要です。頭では分かっているはずなのに『命には限りがある』ということを身をもって知る機会になりました」と素直な実感を綴っている。
「皆さんも検診をぜひ受けてください、大切な人を悲しませないためにも」、そう体験談を締めている南さん。
愛妻の直感から婦唱夫随で低侵襲の早期治療を受けて、事なきを得た渡辺謙さん。救ったはずの夫のその病が縁で、自らも早期発見で救われた南果歩さん。
この創作よりも奇なりな俳優夫妻の実話は今後、「夫婦受診」という流行語を定着させる契機となるかもしれない。
どんなCM企画よりも絶大な啓発効果を生むのは間違いないだろう。俳優同士である前にひとりの夫と妻である素敵な2人の愛情物語だ。
(文=編集部)