危険ドラッグの取締強化が生んだ逆転現象への危惧
「覚せい剤取締法」や「麻薬及び向精神薬取締法」などにより所持、製造、譲渡、使用は禁止されているが、近年、危険ドラッグ同様にインターネットを介した国産並びに中国などからの輸入品の入手が可能であることや、闇の密売組織を通じた取引の取り締まりが不十分であることなどが今後の課題である。
例えば、2015年には前年に比し、大麻取締法違反で検挙されたのは144名と倍増した。さらに最近の危険ドラッグと称される生薬、ハーブ、サプリメントには、激しい錯乱、昏睡状態になることもあるフェンシクリジンなどの麻薬や、興奮や不眠などを誘発するため覚せい剤に指定されたメタンフェタミンなどの成分も含まれていることもある。使用者は、それを認識することなく使用してしまうことになるので、これらの商品には絶対かかわらないことが重要である。
以前は、覚せい剤が高価であるなどの理由で入手困難なため、危険ドラッグを選択した中毒患者も数多く存在した。しかし近年は、直接、覚せい剤、麻薬、大麻などを求める「逆転現象」がさらに顕著となることが危惧されている。
いずれにしても、最近、事件が報道された有名人のような不幸な人生を送ることのないように十分留意すべきであろう。