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ハイカカオチョコレートの過剰摂取に注意!カカオに残留農薬成分や金属が含まれることも

カカオには健康を害する成分も含まれる

 たしかに、テオブロミンには脂肪を分解する作用があり、さらにポリフェノールはそれを補助する役目を持っていて、ダイエットにさぞかし向きそうではある。ところがカカオ自体が実はかなり脂質の高い食品なのだ。

 ハイカカオチョコレートは、普通のチョコレートに比べ、1.2~1.5倍の脂質が含まれ、カロリーも高くなっている。カカオプロテインの研究でも、便通の改善は認められたが、体重の減少の効果は確認できなかった。ダイエット効果もそれほどではないようだ。

 さらに、健康にすぐに害を及ぼす量ではないが、カカオにはカドミウムやニッケルなどの金属が含まれていることがある。カドミウムの場合、産地の土壌の状態によってその含有量に差があるが、長期間にわたり大量に摂取することは控えたほうが良いだろう。

 ニッケルは、(独)国民生活センターによるカカオ分70%以上の高カカオチョコレート12銘柄の調査で、普通のチョコレートの1.9~3.8倍含まれていた。ニッケルは、金属アレルギー物質として非常に多くの症例報告があるだけに注意したいところだ。
 
 さらに、残留農薬やカビ毒の一種であるアフラトキシンが、チョコレートの原材料である生鮮カカオ豆から検出され、積戻しや廃棄処分となっているとの報告もあるという。(同センター)

 普通のチョコレートなら大丈夫な人も、カカオを多く含むハイカカオチョコレートの場合、やはり過剰な摂取には注意が必要だ。嗜好品として食べる分量ではさほど問題がないが、“ハイカカオチョコレート・ダイエット”などと言い出して過剰摂取による事故が起きないかが心配だ。

 「日本チョコレート・ココア協会」は、こうした指摘に対して、日本人1人当たりの年間チョコレート消費量は2.2kgであり、欧米の1/3~1/5程度である、としている。つまり、日本では過剰摂取を心配するには当たらないと主張する。だが、問題は統計ではなく、効果を妄信する個人なのではないか? 

 どうやら“バレンタインはハイカカオチョコで愛と健康を贈る”は成立しないようだ。
(文=編集部)

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