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「肥満でも5割以上は健康」、しかし「早死にリスクは30%も高い」 結局、肥満はだめなのか?

それでも肥満は健康を損なうリスクに!?

 ただし、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)循環器内科教授のGregg Fonarow氏によると、やはり体重という指標は重要であり、「肥満であるが代謝的には健康」という考え方には問題があることを示唆する研究結果もあるという。

 例えば、2015年に報告された100万人以上のスウェーデン人を対象に長期観察を行った研究では、肥満だが健康とされた男性は、不健康で痩せている男性よりも早死にするリスクが30%高かった。また、英国の成人2500人を20年間追跡した研究では、ベースライン時に肥満だが健康とされた人の半数以上が、5年以内に高血圧や糖尿病などを発症していた。

 同氏は「一時点だけ見れば、肥満であるが心血管代謝的に健康であるという状態はありうるが、肥満は年月の経過とともに健康を損なうリスクファクターとなる」と述べている。

 こうした議論で注目すべきは、むしろ「体重が正常でも不健康」な状態のほうかもしれない。BMIは体脂肪率を反映しないため、BMIが低くても脂肪が多い、いわゆる「隠れ肥満」は存在する。

 なかでも、内臓脂肪が蓄積したメタボリックシンドロームは、動脈硬化を進行させやすく、脳卒中や心筋梗塞などを引きおこす可能性もある(メタボリックシンドロームの診断には、ウエスト周囲径が用いられる)。

 つまり「体重を気にしなくていい」のではなく、「体重だけを気にしていてはいけない」のである。
(文=編集部)

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