ラベルやブランドへの“盲信”こそ問題?
実際、カリフォルニア州やボルティモア市では、一部の加糖飲料に対する警告ラベルの表示規制(法制化)を検討中だ。一方、ABA(米国飲料協会)側も甘受ばかりではない。
「米国の各飲料会社は、自社商品のカロリー表示を行なっている。一方、肥満や糖尿病などの複数の原因がある疾患について、あたかも加糖飲料が主因であるかのような警告ラベルを貼るというのはいかがなものか。事実と異なり、消費者を惑わすものではないか」
翻って日本の消費者の場合、逆の意味で“惑わ”されやすい傾向が著しくはないだろうか。例の「カロリーオフ」や「糖質ゼロ」などの表示に寄せる疑念なき盲信は象徴的だ。
スポーツ飲料は90分以上の運動時だけで十分
子どもの砂糖摂取量をいかに抑えるべきか、前出のSandon氏はきっぱりとこう言い切る。
「フルーツジュースを飲ませるならば、100%果汁のものを選ぶと良いでしょう。スポーツドリンクの摂取については正直、90分以上の運動を行なう時だけで十分だと思います」
廃棄食品(ココイチカツ)の転売手口を消費者側が見抜けなかったのは無理もない話だが、かの顛末からブランド名に弱い日本人の気質が透けて見えたのもまた事実。「小さじ25杯分相当」の砂糖を含むことを知って、慎重になるべきはわが国の愛飲派かもしれない。
(文=編集部)