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【シリーズ「子どもの心と体の不思議のサイエンス!」第17回】

赤ちゃんは10カ月ころから大人の表情・行動・状況を読めるようになる

10カ月ころ人の行動や状況の意味も分かってくる

 赤ちゃんは表情だけでなく、周囲の大人の行動パターンもよく見ている。10カ月ころになれば、大人の行動パターンに合わせて、自分の行動を決めるようになる。

 たとえば、お母さんが「クマさんよ」と、赤ちゃんと目を合わせながら、ゆっくりと視線をずらしてクマさんを見たり、指さしたりすると、赤ちゃんも同じ方向を見て、クマさんを指さしする。視線や指さしの先に、お母さんの意識が向かっていることを赤ちゃんはちゃんと理解しているのだ。

 こんなことも起きる。たとえば、お母さんがお化粧を始めたり、お父さんが戸締まりを確かめたりして、外出の準備に忙しくしていると、赤ちゃんが玄関に先回りして待っていることがある。これは、赤ちゃんが日常よく繰り返される人の行動やできごとを見覚えて、自分も関わろうとしている何よりの現れだ。

 このころになると、お母さんの持ち物、たとえば、ヘアブラシや口紅などに関心が強くなり、自分のおもちゃにしようとする時もある。お母さんのお化粧を見ているので、「自分もしてみたい」「触ってみよう」「これは何だろう?」と好奇心を刺激されているのだ。

 極端ないたずらは困りものだが、赤ちゃんが人の行動や状況を認識できるようになった発達の兆しだ。長い目で見てあげよう!
(文=編集部)

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