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【連載「最新の「美容医療」の世界にようこそ」第3回】

社会学者・古市憲寿さんの「ハーフは劣化が早い」発言を美容医療の立場から考える

 とはいいながら、美容クリニックには、シワやシミ、たるみを何とかしたいという多くの患者さんがご相談にいらっしゃいます。「シワが目立ってきて、気分が落ち込む」「数年前の自分に戻りたい」といった悩みを持つ方と毎日お会いしているので、その心情は十分に理解しています。そうした悩みを手助けする手段となりえるのが美容医療なのです。

 「老化した自分を何とかしたい」という気持ちが分かるからこそ、私たちは美容医療で応えます。年々気を揉んでいたシワが目立たなくなった患者さんはとても喜んでくれます。「鏡を見るのも嬉しい! 毎日が楽しくなった」「年齢より若く見えるねと言われた!」などと、イキイキした表情で話してくれます。医師としてうれしい瞬間のひとつです。

 つまり、老化症状が改善されたことで、見た目だけでなく内面的な変化をもたらすことも実感できるのが、美容医療の現場です。

メラニンの少ない白色人は紫外線ダメージを受けやすく老化が進みやすい

 冒頭の記事に絡めて、ちょっと医学的観点からのお話しを付け加えさせてください。

 ハーフの方だから云々、ではなく、私たち日本人のような黄色人種と、欧米人のような白色人種で比較すると、白色人はメラニンの量が少ないという事実があります。シワやたるみの一番の原因は紫外線です。メラニンは紫外線から肌を保護する役割を持つため、メラニンの少ない白色人は紫外線のダメージを受けやすく、老化が進みやすいともいえるのです。

 「老化=劣化」とネガティブにならず、「グッドエイジング」で人生を重ねていきたい、医療で美や若々しさをもたらすことを仕事とする私が言うのは矛盾もありそうですが、年齢を重ねながらも見た目も気持ちも美しくありたいという患者さんと日々接するからこそ、そんな風に感じるのです。

伊藤康平(いとう・こうへい)

聖心美容クリニック東京院院長。日本美容外科学会(JSAS)専門医、日本美容外科学会(JSAPS)会員、日本美容外科医師会会員、日本外科学会専門医など。冷静・的確なカウンセリングや美容外科医としてのセンス、技術に定評。年代を問わず幅広い支持を受けている。趣味は車やスキー、オーディオなどの電化製品、料理、熱帯魚観賞と幅広く。
聖心美容クリニック
www.biyougeka.com

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