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認知症も「備えあれば憂いなし」! まずは医療・介護・法律の正しい知識を学ぶこと

 その後、今回、「認知症フレンドリーアワード」を受賞した、一般社団法人あなたの後見人の理事長・表宏機弁護士が登壇。法律面からの「認知症への備え」について講演を行なった。

 高齢化社会が進んだ現在、元気に活動できる年齢までの健康寿命とそれ以降亡くなるまでの平均寿命との差は、男性で9.13歳、女性で12.68歳だという。つまり、これが生活において多くのことが「できなくなる」年月である。特に認知症となると、肉体的にだけでなく、法的にも「できなくなること」が増えていく。

 「認知症でできなくなることには、たとえば銀行預金の引き出し、クレジットカードの使用、自宅マンションの賃貸借、介護保険サービスの契約、保険金の請求受取、預金の解約などなどがあります。つまり、契約しなければならないものは、本人にその意思があるかどうか分からないからです」

 これでは、本人が日常を暮らしていくのに大きな支障が出てしまう。そこで成年後見人制度が注目されるのだ。表弁護士によって、法定後見スキームと任意後見スキームについての解説がなされ、認知症になってしまった後にもいかに気持ちよく暮らしていけるか、法律的な側面からのアドバイスがなされていった。

 表弁護士は、多くの人に訪れるであろう認知症に備えるためには、意思表明が確実な時期に法的に有効な意思情報を登録することも大事と述べていた。

 今回の受賞者は、いずれもオレンジアクトが定める「認知症フレンドリー宣言」を広めるような活動を行なっており、認知症についての正しい知識、偏見の解消などに努めている。認知症時代のトラブルの対応は、地震などの自然災害と同じように、まずは「備えること」。そして、認知症という病気を過度に恐れることなく、よく知ることが重要だ
(文=編集部)

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