日本でもこの仮説が当てはまるか、検証してみよう。
ちょっと古いが、第一次オイルショックの翌年、1974年のヒット曲ランキングを見てみる。第1位は『なみだの操』(殿様キングス)、2位『あなた』(小坂明子)、3位『うそ』(中条きよし)だ。
前年のオイルショックは、戦後謳歌してきた高度経済成長を根底から覆し、日本列島の景気はギンギンに冷えていた。だが、小坂明子はまん丸だし、若い中条きよしも目がパッチリだ。ペティジョン2世の説と正反対だ。
さらに100年に1度の大不況と言われたリーマンショック後、最も完全失業率が高かった2009年。
ヒット曲ランキングは、1位『Belive/曇りのち、快晴』、2位『明日の記憶/Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~』、3位『マイガール』と上位すべてをジャニーズのアイドルグループ嵐が占めた。4位が61歳の秋元順子の「愛のままで」。どちらかといえば、あまり“シャープ顔”ではない。
それでは、空前の好景気バブル真っ盛りの1990年のランキングを見てみよう。1位『おどるポンポコリン』(B.B.クイーンズ)、2位『浪漫飛行』(米米CLUB)、3位『今すぐKiss Me』(LINDBERG)。このときのほうが断然、ミュージシャンの顔がシャープなようである。
日本と米国では、景気と顔の相関は逆なのかもしれない。いやいや、即断は禁物だ。今はなき日本版『PlayBoy』を調べる必要がある……。
(文=編集部)