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医療・介護の現場でメイクやマッサージをするソシオエステティックが普及するための鍵は、患者からの声

 緩和ケア病棟では、患者と同様に家族にも施術をさせていただいた。胃がん末期のある男性は、毎週ソシオエステティックを楽しみにされていた。自分が施術を受けることはもちろん、傍らで妻がマッサージを受ける姿を見てとても喜んでくださった。悲嘆の中にある家族にとって、ソシオエステティックは一時の癒しとなり、グリーフケアにもつながる。また患者にとっても、愛する家族が大切にされることは、安らかな最期を迎えるために非常に重要なことではないかと感じた。

 メイクアップやマッサージ、マニキュアといったソシオエステティックの施術が、多くの方の「生きる、生き抜く」を支え、人生に対しての希望を取り戻す手段として活用できるのではないかと思う。

フランスでは企業がサポート、日本では?

 ソシオエステティシャンは医療(または介護)チームの一員として活動すること、そしてソシオエステティックの施術は無料で受けることができ、患者様に負担はないが、ソシオエステティシャンはボランティアとしてではなく、病院、施設、政府の機関等から給与が支給されることが大きな特徴である。

 フランスにおいてはソシオエステティシャンの活動を企業がサポートし、ソシオエステティックの発展に大きく貢献しているが、日本で始まったばかりのこの活動は、どのように日本で普及していくのだろうか。日本におけるソシオエステティシャンの活動はまだまだ限られたものであり、その可能性は未知数である。

 普及の鍵は、患者からの声だろうと私は考える。ソシオエステティックという目ではその効果が確認しづらいアプローチが、患者の心を磨き、QOLの向上につながり、「私たちにもこういうケアが必要なんだよ」という声があがって初めて普及していくのではないだろうか?

今後病院だけでなく介護の現場、在宅ケアの現場で、日本でもソシオエステティックが根付き、必要とされるすべての方が施術を受けることができるように、私は努力を続けていきたい。

高塚静恵(たかつか・しずえ)
富山県出身。富山医科薬科大学卒業。看護師。ソシオエステティシャン。
大学病院勤務後、2005年渡仏。フランスでエステティシャン国家資格を取得。
帰国後ピースハウス病院で緩和ケアに従事。現在はソシオエステティシャンと看護師の両方を続けながら、ソシオエステティックの普及に努めている。
(2015年9月15日 MRICより転載)

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