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【シリーズ「再生医療の近未来」第4回】

パーキンソン病の再生医療――ES細胞とiPS細胞によるドーパミン産生細胞を脳に移植

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パーキンソン病の日本の患者数は約15万人(shutterstock.com)

 パーキンソン病は、ドーパミンを作る中枢神経細胞が、脳の中央部の組織で減少するために、手足の震えや筋肉のこわばりが進行し、体が自由に動かせなくなる難病だ。ドーパミンは、快感、幸福感、意欲などを感じたり、運動機能を調節したりする脳内の神経伝達ホルモン。日本の患者数は約15万人。50代以上の発症が多く、発症率は1000人中1人と高い。

 パーキンソン病は、プロボクシング元世界ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリや、アメリカの人気俳優マイケル・J・フォックスが罹ったことでも知られる神経変性疾患だが、どのような症状が出るのか?

根本的な治療法がない神経難病

 主な症状は、手足が震える安静時振戦、動きが遅くなる無動、筋肉が硬くなる筋固縮、体のバランスが悪くなる姿勢反射障害の4つの運動症状だ。便秘や頻尿、うつ病や認知症などの非運動症状が伴う場合が多い。

 発症した時は、脳内ドーパミンを産生する中枢神経細胞が通常時の約20%に激減する。中枢神経細胞は、一旦破壊されると再生されないので、病状の進行を遅らせる手立てはない。

 パーキンソン病の原因は、中脳黒質細胞から大脳基底核にある線条体へ向かってドーパミンを投射している、ドーパミン産生細胞が脱落した時に起きる。つまり、ドーパミン産生細胞の中に、球状の変異タンパク質のレビー小体が現れると、細胞膜やミトコンドリアが変異を起こし、運動障害や精神障害を招く。レビー小体の現れる場所は、迷走神経背側核と嗅球(嗅覚障害)、下部脳幹や中脳黒質(運動障害)、前脳基底部や側頭葉皮質・大脳新皮質(精神障害)の順に病状が進んでいく。

 なぜこのような障害が生まれるのか? 合成麻薬に含まれるMPTPという物質が黒質のドーパミン産出細胞に入り込んで引き起こすことが分かっている。MPTPは「1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン」の略称。MPTPを合成して常用した麻薬常習者が重篤なパーキンソン病を発症したことから発見された神経毒だ。現在は、動物実験でパーキンソン病を発症させる検体として使われている。MPTPがどのよう働いて、体内で産生されるかは解明されていない。

臨床研究の射程内に入ったパーキンソン病の細胞治療

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