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【連載第6回 眼病平癒のエビデンス】

メガネやコンタクトから解放されたい! レーシックよりも安全な近視矯正法

 さらに最近の研究では、子供の近視進行の抑制にもオルソケラトロジーの効果も報告されています。ただし、角膜を含め眼球が成長期の子供は、不適切な使用によりトラブルになることがあるので注意が必要です。以下の条件にあてはまる子供にはお勧めできません。

▶︎自分にあったメガネを使用している
▶︎アレルギー性結膜炎やドライアイなどの眼科的な疾患がない
▶︎親や兄弟など身近な人がコンタクトレンズを使っている
▶︎適切なコンタクトレンズのケアができる
▶︎近視の程度が軽い

 もし、子供がオルソケラトロジーを行った場合でも、痛みや充血など目の症状があったら親に必ず報告する、無理に使い続けずに中止する、また、相談できる眼科が近くにあることが大事です。

目の中にレンズを挿入する近視矯正法

 一方、近視矯正の手術には、角膜を削るレーシックのほかに、目の中にレンズを挿入する「有水晶体眼内レンズ」や「有水晶体眼内コンタクトレンズ」という方法があります(図2を参照)。

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図2

 レーシックは角膜を削って近視を矯正するので、術後に何か不満があっても元に戻すことはできません。しかし、有水晶体眼内レンズ(コンタクトレンズ)は、術後に合併症や見え方に対する不満などがあれば、挿入したレンズ(コンタクトレンズ)を取り出すことが可能です。ただし、近視の程度により不向きの人もいます。また一般的にレーシック手術よりも高額です。

 今回は、オルソケラトロジーと有水晶体眼内レンズ(コンタクトレンズ)を紹介しました。いずれの術式も新しい方法であるとともに、希望する方法がその人には適さないこともあるので、担当医とよく相談してから決めてください。


連載「眼病平癒のエビデンス」のバックナンバー

高橋現一郎(たかはし・げんいちろう)

くにたち駅前眼科クリニック院長。1986年、東京慈恵会医科大学卒業。98年、東京慈恵会医科大学眼科学教室講師、2002年、Discoveries in sight laboratory, Devers eye institute(米国)留学、2006年、東京慈恵会医科大学附属青戸病院眼科診療部長、東京慈恵会医科大学眼科学講座准教授、2012年より東京慈恵会医科大学葛飾医療センター眼科診療部長。2019年4月より現職。
日本眼科学会専門医・指導医、東京緑内障セミナー幹事、国際視野学会会員。厚労省「重篤副作用疾患別対応マニュアル作成委員会」委員、日本眼科手術学会理事、日本緑内障学会評議員、日本神経眼科学会評議員などを歴任。

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