5kmのジョギングから始めて、3年かけてフルマラソンまで走れるようになる――。自分の体力に合った適度なトレーニングを積めば、誰でもパフォーマンスをアップすることは可能だ。しかし、無理なトレーニングは逆効果になるのは否めない。
2012年に発表された論文、「Effects of fatigue on running mechanics associated with tibial stress fracture risk. Medicine and science in sports and exercise,」によると、ランニングによる疲労は疲労骨折、特に脛骨の疲労骨折と関連があることが分かっている。
具体的には、疲労によってランニング中に、体幹、股関節の伸展、足関節の底屈が増加する。地面へのインパクトが強くなり、脛骨への負荷が増加した結果、疲労骨折につながるのだ。疲れによって体の制御が難しくなり、地面への衝撃が強くなる。24時間100kmは、走る速度によらず、疲労骨折のリスクは高まるわけだ。
DAIGOさんができるなら自分も走れるかも......
また、『Clinics in Sports Medicine』で発表された論文「Stress Fractures in Runners」では、ランナーがケガをする要因に、急速な身体トレーニング、栄養、喫煙、下肢の筋肉量などが挙げられている。
今回のチャリティマラソンにかぎらず、普段運動していない人が、いきなりトレーニングをして長距離を走ることは危険だ。特にDAIGOさんのような筋肉量が少ない人だとなおさら。ランニングだけではなく、体の安定性を向上させるための「コアスタビリティトレーニング」などが必須だといえる。
番組企画のように、万全なサポートメンバーや専門家によるケアを望めない一般の人は、「DAIGOさんが走れたなら自分だって......」など安易に思わないことだ。体を鍛えるどころか、壊しかねないリスクがはらんでいることを忘れてはならない。
(文=編集部)