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糖尿病は「貧困病」だった!世帯年収600万円未満の女性は肥満が多い?

 日本でも、かつては糖尿病や肥満は贅沢な生活や飽食から生まれる"贅沢病"であると考えられてきた。しかし、2012年に厚生労働省から報告された平成22年度国民健康・栄養調査の結果では、世帯所得が600万円以上の女性(肥満者の割合13.2%)に比べて,世帯所得が200万円未満(25.6%)や200万~600万円(21.0%)の女性の方が肥満者の割合が多いことが知られ、肥満は贅沢病ではないことが明らかとなっていた。(平成22年度国民健康・栄養調査「所得と生活習慣等に関する状況」)。

さらに台湾のデータでは、所得の多い人に比べて、所得の少ない人の方が糖尿病の発症率が高く、糖尿病治療の質も悪いことが報告されている。(Diabetes Care 2012; 35: 2286-2292)

 日本では着実に経済的な格差が広がっている。健康保険費の未払いや子供の給食費も払えない家庭が続出、十分な食事や健康維持のために使うことのできる金銭や時間的な余裕の無い家庭が増加する。このままでは日本での糖尿病は増加し続ける可能性があるのではないか。

「糖尿病アトラス 第6版 2014 UPDATE」によると、日本の成人糖尿病人口は721万人で、世界ランキングでは10位となっっている。そして膨大な糖尿病治療薬がこの国で消費され、大手製薬メーカーの利益が確保される。

 集団的自衛権云々の前に、こうした格差社会を推し進める政策はすでに、憲法第二十五条 、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」に違反し始めていないか?
(文=編集部)

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