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【連載第9回 慢性腰痛を深く知る】

あなたの腰痛は、自分の足に合った靴を選び、正しい歩き方をすれば、必ず改善する!

 職業柄、どうしてもハイヒールの靴を履かなければならない場合もある。ハイヒールの場合はウォーキングシューズとは選び方がちがってくる。

①つま先にゆとり(捨て寸)があること
②甲に靴が食い込んだり、浮いたりしないこと
③かかとがフィットしていること

 つま先のゆとりは、ウォーキングシューズ同様、捨て寸があることが重要だ。そして、ハイヒールは甲の部分が浅く、ここが足の甲に食い込んだり、逆に浮いたりしがち。そのため、きちんと足にフィットしたものを選ばなくてはいけない。さらに、かかとの部分の丸みが足の丸みに反っているかどうか、歩くときにパカパカせずに、土踏まずから後ろの部分が足に自然についてきてくれるかどうかが大事だ。

 ハイヒールを履いて立ったとき、真っ直ぐな姿勢を保てずに体が前傾するようなら、足に合っていない。重心を真っ直ぐに保って、かかと側の足の裏に安定感があることが大切だ。これにより、体重がつま先だけにかからず、無理のない歩き方ができる。

 足の形は指の長さによって3タイプに分かれる。それぞれのタイプで、合う靴の形も異なる。日本人の7割は親指が最も長い「エジプト型」で、この場合は靴の前が丸いラウンド型が合う。欧米人に多い人さし指が最も長い「ギリシャ型」は、つま先が尖った形が合う。南太平洋地域に多い親指と人さし指の長さが同じ「ポリネシア(スクエア)型」は、スクエア型の靴が合う。

立ちっぱなし、歩きっぱなしで、腰痛が起きたときの体操

 

 不適切な姿勢で立ち続けたり歩きすぎたりして腰痛になった場合は、髄核が前にずれていることが考えられる。反り腰の人に起きやすい。

 この場合は、腰をかがめる体操を行おう。椅子に腰かけて、足を腰幅よりも広げて座る。その足の間に体を入れるような感じで、息を吐きながら、3秒間、ゆっくりと背中を丸める。反った姿勢によって負担をかけた部分に意識をやって、そこの髄核を後ろに戻そうというイメージを描こう。これを1、2回行う。

 これだけの体操でも、腰に違和感があったときにすぐ行うと、腰痛の悪化を防げる。ひどくしてしまってから治療でどうにかしようとするのではなく、少し悪くしたら少し努力して戻す。毎日の歩き方を少しずつ直す。このような積み重ねが、腰痛を改善させるために、一番大切なことである。


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森田慶子

森田慶子(もりた・けいこ)
経験20年の医療ライター。専門医に取材し、その分野を専門外とする一般医向けに発信する医師向けの医学情報を中心に執筆。患者向けの疾病解説の冊子や、一般人向けの健康記事も数多く手がける。これまでに数百人を超える医師、看護師などの医療従事者から、最新の医学情報、医療現場の生の声を聞いてきた。特に、腰痛をはじめとする関節のトラブル、糖尿病、高血圧などの生活習慣病、うつ病や認知症などの精神疾患、睡眠障害に関する記事を多く手がけてきた。

連載「慢性腰痛を深く知る」バックナンバー

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