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【子どもには絶対に使ってはいけない生活用品 連載2回】

子どもなのに抜け毛・薄毛......。化学物質を含まない無添加せっけんシャンプーでスキンケアを

KODOMONIHADAME.jpgシャンプーやリンスにも、さまざまな化学物質が含まれている

shutterstock

 子どもだというのに、抜け毛や薄毛に悩んでいるという事例が少なくありません。その原因を探ると、シャンプーやリンスの影響だということも。普段つかっているシャンプーやリンスをやめたら、抜け毛や薄毛が改善されたというケースが多いことからも、それは明らかです。

 シャンプーやリンスは慎重に選ばなくてはいけません。選ぶポイントは、第一に洗浄力が強すぎるものは避けること。成分表示をよく見て、「ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム」と「ラウレス硫酸ナトリウム」が使われていたら、子どもに使わせるべきではありません。どちらも合成界面活性剤で、強力な洗浄力があります。その強力すぎる洗浄力によって頭の皮脂も落としてしまい、頭皮の炎症、抜け毛、フケなどの原因になるのです。皮脂にはさまざまな菌などから頭皮をガードする役割があります。それを落としすぎては、頭皮の環境に悪影響を及ぼすのは必定なわけです。

 合成界面活性剤は「経皮毒」といって、皮膚のたんぱく質を破壊して体内に侵入します。特にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウムは、合成界面活性剤の中でも要注意の化学物質です。動物実験ですが、受精卵や精子を死滅させたという報告があります。当然、ヒトの生殖機能にも悪影響を与える恐れがあります。ラウレス硫酸ナトリウムも、毒性の強い合成界面活性剤です。目に入った場合は、発赤や痛みを招きます。大手メーカーのほとんどのシャンプーに添加されているので、注意が必要です。

最も安全なのは「無添加せっけんシャンプー」

 さらに重要なことは、子ども用やベビーシャンプーを過信しないことです。天然由来成分の「緑茶エキス」や「ヒアルロン酸」が配合され、「目しみにくい弱酸性タイプ」などを強調したベビー用シャンプーがありますが、そこには発がん性が確認されている合成界面活性剤「コカミドDEA(ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド)」が使用されているのもあります。また、殺菌剤・防腐剤として「フェノキシエタノール」が添加されている製品が多いですが、この物質は皮膚や粘膜を刺激し、皮膚から体内に吸収されると麻酔に似た作用を起こします。

 子ども用シャンプーにもさまざまな製品が出回っていますが、最も安全なのは「無添加せっけんシャンプー」です。せっけんシャンプーもいろいろと販売されていて、洗浄成分の脂肪酸(油脂)濃度はそれぞれ違います。濃度が高くても安全性に問題はないので、いくつか試してみて、子どもの髪にしっくりとくるものを選ぶといいでしょう。

 リンスは香りの強いものは避けるべきです。柔軟剤の香料によるアレルギーが増えてますが、リンスに使われている香料も柔軟剤に使われているものと同じ合成香料です。合成香料には「エチルバニリン」のように、かなり毒性の強いものもあります。また、多くの合成香料は、安全性が未確認のまま使用されているのが現状です。

 リンスにもさまざまな合成界面活性剤が使用されています。毛髪をしなやかにするために使われる「ベヘントリモニウムクロリド」という合成界面活性剤は、皮膚障害を起す可能性が高いと指摘されています。また、防腐剤・殺菌剤に使われている「メチルクロロイソチアゾリノリン」や「メチルイソチアゾリノリン」は、国民生活センターから「重篤なアレルギー性皮膚炎を起こす可能性がある」と指摘されています。リンスは、合成界面活性剤、香料、着色料、防腐剤・殺菌剤が含まれないものを選べば安心です。


シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」バックナンバー

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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