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「自殺者」の平均睡眠時間は5時間。「睡眠不足」が自殺を引き起こしてしまう!?

自殺者の就寝時刻は深夜1~2時。平均睡眠時間は5時間前後。

 

 厚生労働省研究班が救命救急センターに運ばれた自殺未遂者を対象として行った調査でも、自殺の試みが初めて...という初回の人の52%、複数回、自殺を試みた人の89%が、睡眠導入剤や精神安定剤を飲んでおり、自殺者の多くが精神的に不安定な状態にあり、睡眠に問題を抱えていたことがわかっている。

 同調査では、自殺初回の人の84%、複数回自殺を試みた人の72%が睡眠不足を自覚していた。平均睡眠時間は初回の人が4.6時間、複数回の人が5.7時間だった。就寝時間の平均は初回の人が午前1時10分、複数回の人が午前2時20分で、寝付くまでに初回の人が1時間30分、複数回の人が54分かかっていて、寝つきの悪さも目立つ。一晩に平均2回ていど目が覚めていた。

 日本では寝つけないときに「寝酒」と称して酒を飲む人が多いが、実はアルコールにより眠りが浅くなってしまう。自殺を試みた人の2割以上がアルコールを飲んでいた。

 自殺企図者の多くは睡眠障害を伴う、うつ状態にあるほか、睡眠不足で判断力が落ちていることが考えられる。

 精神科では「精神病だから睡眠の質が下がるのか」、「睡眠不足だから、精神を病むのか」、いわばニワトリが先か、卵が先かという議論同様に、精神の不調と睡眠は深く関わっていると考えられている。

「たかが睡眠不足」を侮ってはいけない。睡眠は無駄な時間ではなく、生きていくために非常に重要な時間なのである。

(文=編集部)

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