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体温の低い子どもが増加、学習意欲や忍耐力の低下を招く一因か!?

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体温異常の子どもが4割以上との報告も

 子どもを抱っこするとポカポカと温かく感じるのは、平熱が大人より少し高いから。新陳代謝が活発なのに加えて、皮膚が薄く体の深部温度と皮膚温度があまり変わらないことがその理由だ。しかし最近、そうした子どもの体質が少し変わってきているらしい。

 保育園や幼稚園へ登園しても、すぐに遊ばずじっとしている子がいる。あるいは集中力に欠けて落ち着きがない子や、すぐにキレる子が増えてきた。その一因として、子どもの体温異常が指摘されている。

 近年、その傾向はさらに強くなっているようだ。2012年の「キリン アルカリイオンの水」のリリースには、こんな調査結果が掲載されている。

 ショッピングモールに来店した4〜10歳の子ども400人の体温をその場で測ったところ、36℃未満が18%、37℃以上が19%いた。調査したのは昼過ぎから夕方で、この時間帯の適性体温は36~37℃。実に4割近くの子どもが、何らかの体温異常を抱えている可能性があることがわかった。

●自律神経の不調が原因

 

 子どもたちが体温調節をうまくできないのはなぜか? それは呼吸、消化、発汗、体温調節などの生命活動を司る自律神経の働きが弱っているためだ。

 自律神経の働きを整えるには、朝明るくなったら起き、暗くなったら寝るという、人間本来の生体リズムに合った生活を送ることが大事。しかし今の子どもたちは、年々夜更かしになっている。前述の調査で生活習慣についても聞いたところ、21時以前に就寝している子どもはわずか24.5%。半数以上は21時台、18.5%は22時以降に就寝しており、睡眠不足の子どもが多い可能性がある。

 朝食をきちんと摂る習慣ができてない子も多く、朝の便通については半数以上が「ほぼ毎日」と回答する一方、週に3回以下と回答した子も33.8%いる。生活リズムが乱れがちな様子がうかがえたという。

 早稲田大学人間科学部の前橋明教授は、「こうした生活リズムの乱れによる自律神経の機能低下は、子どもの学力や人格形成にも関連している」と指摘する。朝食を食べない子は体温が低い傾向にあり、日中眠気を感じ、通学意欲も低いという報告がある。また、就寝時刻が夜22時以降と遅い子どもの割合が大きい地域は、全国学力テストの正答率が低い傾向にあったという。

●早寝早起きで生活リズムを正常に

 

 よく眠り、よく食べ、体を動かす。以前の日本人なら、少なくとも子どものころは普通にできていた生活のリズムが、モノや情報があふれる忙しい現代では、いとも簡単に崩れてしまう。その影響を一番受けるのが子どもたちだ。自律神経を整え、体温異常を改善するには、いくつかのことを心がけて生活リズムを正常にしていくことがポイントになる。


1. 朝7時前には起きて朝食をとり、家で排便をする。

2. 夕食をしっかり食べて、夜9時頃までには寝る。

3. 体を十分に動かす。特に体温がピークになる午後3〜5時によく遊ぶ。

4. 体温調節機能を鍛えるため、冷暖房は程々にする。 


 共働き家庭などではどうしても生活が夜型になりがちだが、就寝時間のけじめだけはしっかりつけさせたいもの。子どもの心と体がぐんぐん成長する時期はあっという間。大人は自分が小さかったころを思い出し、できる限り子どもに合わせた生活リズムを作っていくべきではないだろうか。
(文=編集部)

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