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【世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長】

HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法

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自宅でも簡単に性感染症の検査ができる

 世界で少なくとも毎日100万人が感染すると言われる性感染症。性的接触を通じて広がるこの疾患は防ぐことができるのか、治療は可能なのか。性感染症専門のクリニックのあおぞらクリニック新橋院の内田千秋院長にお話を伺った。

「性感染症は細菌、ウイルス、原虫などが主に性行為を介して伝播しますが、性器クラミジア感染症、淋菌感染症(淋病)、梅毒は細菌が原因ですから抗菌剤が有効です。またトリコモナスは抗原虫剤の内服、膣錠などで治療が可能です。性器ヘルペス感染症、HIV/AIDS に対して疾患を根治させることはできませんが、抗ウイルス薬などで疾患の進行を制御できます。またB型肝炎に対しては、インターフェロン療法がおこなわれてきましたが、その後、インターフェロンを使わない内服薬だけの治療が登場し、2014年に国内でも使えるようになりました。現在では治療が難しい症例でも、95%以上の方でウイルスを体内から無くすことが可能となっています 」

ワクチンで予防可能な性感染症

 しかし、他の感染症と同様、予防できるものは予防すべきであることは言うまでもない。HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症やB型肝炎はワクチンでの予防がある程度可能だ。

「HPVに対しては国内で承認されているワクチンは2価と4価の2種類。2価ワクチンは子宮頸がんや陰茎がんの主要な原因となるHPV16型および18型に対するもので、4価ワクチンは尖形コンジローマの原因となる6 型・11型を含む4つの型に対するものです。当院では高リスク型HPV、低リスク型HPVどちらに対しても予防効果が期待できる4 価HPVワクチンを使用します。さらに日本ではまだ承認されていませんが海外ではより広範な効果が期待される9 価ワクチンが既にあり、日本でも最近承認されました。HPVに関しては世界の潮流はワクチンの接種によって子宮頸癌やコンジローマ の患者数を減少させることです」と内田院長。

内田千秋(うちだ・ちあき)

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市生まれ。96年、東京医科歯科大学を卒業し、同大第二外科入局。癌研究会附属病院、東京都立墨東病院、東京都多摩がん検診センターなどに勤務後、2013年、「あおぞらクリニック」を開業し院長。日本性感染症学会会員、日本エイズ学会会員、日本性機能学会会員、日本抗加齢学会専門医ほか。趣味は「猫」(フェイスブック「ネコっていいね!倶楽部」主宰)。

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