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お酒がやめられないのはどうして? アルコール依存の治療が難しい理由

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アルコール依存の根は深い

6月25日、北方領土返還で「戦争」に言及し、衆院の全会一致で「糾弾決議」を可決された丸山穂高衆院議員(日本維新の会から除名)が本会議への出席のため登院した。丸山氏は、衆院議院運営委員会による聴取を「2カ月間の休養が必要」との診断書を提出して欠席していたが、この日、議員辞職をしない意向を改めて示した。

 ちなみに、丸山氏は2015年12月、居酒屋で酒を飲み一般男性と口論になりトラブルを起こしたことを受け、「公職に在職している間は、公私ともに一切酒は飲まない」と明言していた。だが今年5月の蛮行は知っての通りだ。

 丸山議員の“体調不良”の理由に囁かれているのが、アルコール依存。維新の松井一郎代表の「アルコール依存」を関連付けたツイートに対して、「撤回と謝罪を」など噛み付いた丸山氏だが、彼が過去に起こした飲酒によるトラブルや振る舞いを考えれば、アルコール依存の可能性は高い。複数の医師も同様の指摘をしている。

 アメリカ精神医学会によるアルコール使用障害の診断基準(DSM-5)によれば、丸山氏の場合は「飲酒量をコントロールできない」「飲酒が原因のトラブル」があてはまる。

 そして、依存症のいちばんの特徴は「否認」だ。「自分は依存症ではない」と、現実を認めないため状態は悪化。酒好き、酒癖が悪い、酒を飲んでの暴言、といったレベルを超えてしまうのだ。

強制わいせつ、暴行、飲酒運転……相次ぐ有名人の飲酒トラブル

 丸山氏以外にも、昨年は有名人による飲酒トラブルが注目を浴びた。泥酔状態下での女子高生への強制わいせつ容疑で書類送検され、TOKIOからの脱退、事務所との契約を解除された山口達也。乗用車を飲酒運転して赤信号無視、通行人をひき逃げして逮捕された元モーニング娘。の吉澤ひとみ。

 そして今年4月には、泥酔後のコンビニ店内で面識のない女性を殴ったとして、人気グループAAAのリーダー、浦田直也が暴行容疑で逮捕されている。

 これらの事件以前にも、同様の未遂行動があったかもしれない。これまで築いたキャリアを棒に振ってしまうまで酒に溺れるのが、アルコール依存の怖さだ。

 筑波大学の推計によれば、国内のアルコール依存症人口は約100万人。うち医療機関で受診している人数は5万人に留まる。

 「過剰な飲酒をしている人は国内で1000万人」という分析表現もあるが、その「過剰な飲酒」の量とはいかほどだろうか。厚生労働省が「健康日本21」のなかで定義している「節度ある適度な飲酒」とは「1日平均20g程度の飲酒」(①)。「1日平均60gを超える飲酒」は「多量飲酒」(②)と警告している。

 具体性に①「適度(20g程度)」は、ビール中瓶(またはロング缶)1本や日本酒1合、缶酎ハイ350ml(7%)1本に相当。一方、②の「多量」は、ビール中瓶3本、日本酒3合弱、25度焼酎300mlに相当する。ワインならばグラス2杯(200ml)、ウィスキーならばダブル1杯(60ml)程度は「適度」の範疇だ。

 飲酒にまつわる健康問題や社会問題の諸々を含む「アルコール関連問題」について、世界保健機構(WHO)は、60以上もの病気や外傷が飲酒によって引き起こされると警告。問題の根は深く多大だ。

 WHOの診断ガイドラインでは、飲酒に伴う何らかの精神的、身体的障害が認められる場合を「harmful use(有害な使用)」と定義している。一方で、俗にいう「酒乱」によって社会的、家族的問題が引き起こされている症例を米国精神学会では「alcohol abuse(アルコール乱用」)と呼ぶ。

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